大相撲の元横綱稀勢の里の二所ノ関親方(38)が3日、茨城・阿見町の部屋で弟子の稽古を指導後、ライバルだった元横綱白鵬の宮城野親方(40)への思いを熱く語った。前日2日の日本相撲協会の臨時理事会で、宮城野親方が退職することが決まった。2人は同じ時代に横綱を務め、優勝は、二所ノ関親方が2度に対し、宮城野親方は歴代最多の45度。数字上では差が大きいが、互いがライバルと認め合ってきた。

二所ノ関親方 思い出はたくさんあります。横綱(白鵬)がいたから、強くなったというところもありましたし。いかに食らいつこうか考えたところが、僕の相撲人生を変えたと思いますし、白鵬の強さがなかったら、僕はここまで力をつけていなかったと思います。そのぐらいの相手だと思います。

引退後は、会話を交わすことも増えていた。

二所ノ関親方 現役中こそ、あまりしゃべることはなかったですけど、引退してからは話す機会もたくさんあって。ここからという時に、非常に残念です。

2010年11月の九州場所2日目。双葉山が持つ歴代最長の69連勝に迫る、63連勝中だった“無敵”の白鵬を止めたのも稀勢の里だった。直前まで2場所連続で7勝8杯と負け越し、5場所ぶりの平幕転落、東前頭筆頭に番付を下げていたことで、序盤戦で顔を合わせていた。

二所ノ関親方 まあ、止めただけですから(笑い)。横綱はレベルが違いましたから。63連勝の中でも、3、4回負けてるのかな(実際は4回)。63連勝した白鵬がすごいですよね。信じられない、考えられない連勝記録ですからね。10連勝するのでもやっと。それが63連勝ですからね。

ともに現役を引退し、親方として弟子の育成の面でも、ライバルだと思っていた。強い弟子を育て、相撲界を盛り上げたい思いは同じだと感じていた。

二所ノ関親方 これから一緒に頑張っていこう、という状況でした。そういう話も、ちょこちょこすることもありましたけど…。残念ですね。

同時期に横綱を張った4人のうち、日馬富士に次いで協会を去ったのは2人目となった。残るは元鶴竜の音羽山親方と自身の2人だけ。冷静に振り返りつつも、1つの時代の終わりを感じているように、時折、さみしそうな表情を見せていた。