名古屋場所の会場は、今年からIGアリーナに変更となった。本場所の会場変更は1985年初場所で蔵前から両国に移転した国技館以来40年ぶり。地方場所では81年九州場所以来となる。
力士らは、新会場での初日を終え、さまざまな感想を口にした。
横綱豊昇龍は取組後に支度部屋での取材を終えると「あつー」と漏らし、「この支度部屋、クーラーついてます? 扇風機を付けて欲しい。去年までの体育館の方が支度部屋は涼しかった。土俵は暑くないし寒くもないし、ちょうどいい、オレはね。他の人がどうかは分からない」とした。
東西の支度部屋は、どちらも幕内と十両に分かれたが、エアコンの設定温度は20度。平幕の阿炎は「(支度部屋が)暑かったので、(温度を)下げようとしたら20度までしかさがらなかった」と明かした。
風呂場については、おおむね好評で、多くの力士が「広くてきれい」と声をそろえていた。再十両の荒篤山は、じっくり浴槽につかり「部屋(荒汐部屋の宿舎)にはシャワーしかないんで、ゆっくり入りました」とリフレッシュした様子。支度部屋に隣接するトイレの個室は広々としているが、「ウォシュレットがついてなかった」(翠富士)と残念がる声もあった。トイレは支度部屋に限らず、会場のあちこちにあるため「混まないのがいい」(荒篤山)との指摘も聞かれた。
会場全体や土俵については、反応もさまざま。力士ら多くの関係者は「巡業みたい」と指摘。キャパが大きく、国技館のような専門の会場でないため、なじみが薄い。アリーナの内部は天井まで30メートルの高さがあり、力士たちにとっては初めて。新入幕の草野は「新鮮で慣れない。天井が高くて満員御礼(の垂れ幕)がずっと揺れてた。上の方が空いているので、少し違和感がありました」と話した。
最年長関取、40歳の玉鷲は「巡業の感覚になってしまうので、周りを見ずに、土俵だけを見ていました」。自分なりに集中する方法を見つけて、白星につなげていた。
初日は敗れたものの、若元春のコメントは意義深い。「会場が変わるのは珍しい。相撲の歴史から見ても、あまりない。そういう場所に関取で臨めて、時代の変わり目を見られることは感慨深いです」。
名古屋場所担当部長の出羽海親方(元幕内小城ノ花)は「初日としてはスムーズだった」と胸をなで下ろしていた。【佐々木一郎】
◆IGアリーナ 名古屋市に新設された多目的アリーナ。愛知国際アリーナの命名権を英国の金融会社「IGグループ」が取得し、10年間は「IGアリーナ」となる。メインアリーナの広さは4600平方メートル。立ち見を含めると最大1万7000人収容可能。建築家の隈研吾氏がデザインした。最寄り駅は市営地下鉄名城公園駅。

