大相撲で「史上最強の新弟子」の呼び声が高い、モンゴル出身のバトツェツェゲ・オチルサイハン(23=伊勢ケ浜)が、前相撲で初土俵を踏む九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)へ、万全の状態で乗り込む。25日、横浜市の新横浜公園相撲場で「出張稽古」と銘打って行われた、伊勢ケ浜部屋のイベントに参加。母校の神奈川・旭丘高の後輩や、約60人が参加した小中学生に稽古をつけた。大柄な小学生を軽々と持ち上げて肩で担いだり、細身の小学生は2人同時にまわしをつかんで振り回したりと、コミカルな動きで集まった約300人の観衆の笑いを誘った。
オチルサイハンは旭丘高を卒業後、4年半余り、猛稽古で知られる伊勢ケ浜部屋で、みっちりと鍛える間に才能を開花させた。大相撲の規定で、外国出身力士は1部屋1人まで。伊勢ケ浜部屋所属では今年1月の初場所中に引退するまで、現師匠でモンゴル出身の横綱照ノ富士が現役を続けていた。現師匠が引退後から、外国出身力士に必要な半年間の研修期間が正式にスタート。秋場所前に新弟子検査を受検し、興行ビザの取得を待って、ようやく初土俵を踏むことになる。
待ちに待った本土俵だが「ワクワクとかはないですよ。緊張もない。緊張したら、もったいないじゃないですか」と、至って平常心だと強調した。9月の新弟子検査以降も「ずっと稽古していました」といい、同検査で150キロだった体重は、一回り大きくなった。詳細な体重は「個人情報なので」と、笑いながらけむに巻いたが「今は160キロを目指しています」と、一段と圧力に磨きを掛けている。
すでに部屋の稽古では、伯桜鵬、熱海富士、草野ら部屋の幕内力士を圧倒することがほとんどだ。実力は横綱、大関級との声が多数聞こえる。「今のところ、順調です。あとはケガなく場所を迎えられたら。負けたら、また次頑張ればいいと思って頑張ります」と、初々しく話した。ただ一方で、初土俵こそ踏んでいないが、すでに部屋の在籍は長いため、九州場所に同行するのは早くも5度目。「もう珍しくないので、特に食べたいものとかもないですよ」と、笑いながら話し、風格を漂わせていた。

