[ 2014年7月12日23時18分 ]

 W杯ブラジル大会の3位決定戦、ブラジル-オランダ戦が12日(日本時間13日午前5時)からブラジリアで行われる。

 準決勝で対象的な敗戦を喫した強豪国同士が、プライドを懸けて対決する。

 ブラジルは、決勝進出、そして優勝を目指し臨んだ準決勝でドイツ相手にまさかの7失点。エースFWネイマール、主将のDFチアゴシウバを欠いていたとはいえ、勝利を願う多くのファンの前で歴史的大敗を喫してしまった。

 一方、準決勝でアルゼンチンと対戦したオランダは、互いにリスクを犯さない戦い方に終始した試合で120分を戦ってスコアレス。準々決勝のコスタリカ戦に続きPKまでもつれたものの、今回は相手GKロメロの活躍もあり勝利をつかめなかった。

 ◆過去4度の対戦は五分

 ▽両国はW杯で過去4度対戦しており、成績は2勝2敗の五分だ。直近では、2010年南アフリカ大会の準々決勝でオランダがブラジルを2-1で下し、決勝進出を果たした。1998年のフランス大会では、準決勝で対戦しPK戦の末ブラジルが決勝に勝ち進んだ。1994年の米国大会は準々決勝で対戦しブラジルが勝利。1974年は、準決勝で対戦しオランダが勝利している。

 これまでの対戦は、いずれも決勝進出を目指し、生き残りをかけた戦いであったが、今回は3位決定戦と両国にとってモチベーションの上げ方が難しい試合になるだろう。しかし、4強進出しながら、2連敗で大会を去るということだけはどちらも避けたいはずだ。◆ブラジル代表◆【4-3-3】

 予想スタメン

 GK:ジュリオセザール

 DF:アウベス、ダビドルイス、チアゴシウバ、マルセロ

 MF:パウリーニョ、ルイスグスタボ、オスカル

 FW:ビリアン、フレジ、フッキ

 負傷者:ネイマール(腰椎骨折)

 出場停止者:なし

 準決勝ドイツ戦の大敗を受け、気になるのは選手たちの精神状態だ。決勝まであと一歩のところでの、よもやの大敗。この敗戦を引きずらずに試合に臨めるかが、鍵を握る。

 メンバーは、ドイツ戦を出場停止により欠場したチアゴシウバが復帰し、守備面は安定感を取り戻せるだろう。メンタル面を考慮し、若干のメンバー変更が行われるかもしれないが、ここはドイツ戦のメンバーに自信を取り戻させるべく最小限に抑えるのではないだろうか。ネイマールの代わりには、FWベルナルジではなく、MFビリアンを起用すると予想する。

 ◆オランダ代表◆【5-3-2】

 予想スタメン

 GK:フォルム

 DF:カイト、デフライ、フラール、マルティンスインディ、ブリント

 MF:ワイナルドゥム、スナイダー、デヨング

 FW:ロッベン、ファンペルシー

 負傷者:なし

 出場停止者:なし

 

 ブラジルよりも試合間隔が1日短いオランダは、これまで結果を残していた5-3-2でこの一戦に臨むと予想する。相手守備陣の裏を突くべく、ロッベンを使ったカウンター主体の攻撃を見せてくれるだろう。

 また、GKはフォルムが初めて起用されると予想する。ここまで22名の選手を起用してきたファン・ハール監督は、きっと“23番目の男”を起用してくるはずだ。アルゼンチンにはPK戦の末に敗れたものの、記録上はドロー。つまり、今大会無敗を維持している。今大会を良い形で終えるために、勝利を目指す。<注目選手>

 ◆DFチアゴシウバ(ブラジル)

 ▽準決勝での大敗の責任を重く受け止めているだろう主将に注目だ。完膚なきまでにやられているチームメートをスタンドで見守ることしかできなかったチアゴシウバ。優勝という目標は達成できないが、最後に母国のファンに笑顔を届けたいと思っているはずだ。FWロッベン、FWファンペルシーと強力な攻撃陣を誇るオランダだが、コンビを組むDFダビドルイスと共にブラジルの誇りを見せてくれるだろう。

 ◆FWロッベン(オランダ)

 ▽やはり、今大会のオランダにおいてキーマンとなるのはロッベンだろう。準決勝のアルゼンチン戦ではMFマスケラーノの前に決定的な仕事ができずに終わった。これまで見せてきた、キレのある動きで突破を繰り返し、勝利という結果で大会を締めくくりたいはずだ。2トップを組むであろうFWファンペルシー、そしてMFスナイダーとともに、ブラジルのゴールを切り開く。【超ワールドサッカー】