今日4日から26年度NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(日曜午後8時)が始まる。主演は俳優仲野太賀(32)。天下統一を果たした豊臣秀吉の弟、豊臣秀長を演じ、兄弟の絆とその生涯をたどる物語を届ける。このほど新春インタビューに応じ、実生活での自身の“兄弟”や家族について、初の大役となる作品の見どころを語った。【松尾幸之介】
★100人中99人の立場から
“太賀が大河”の主演を務める2026年が始まる。新年の抱負を聞くと「大河ドラマ一色なんだろうな…」とつぶやき「たくさんの人の日曜日を元気にできるような最高に面白いドラマをつくっていきたいなと思います」と笑顔で宣言した。
今作は「秀長が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった」とまでいわしめた天下一の補佐役、秀長の目線で戦国時代をダイナミックに描く波瀾(はらん)万丈のエンターテインメント。その人物像については「兄は100人に1人のカリスマで、秀長はどちらかというとその逆の99人の方にいる人だったのかなと。そういう人だからこそ見えていたであろう景色は大事にしていきたいなと思っています。あらゆる人に目線をくばりながら、豊臣を守ろうとした人だったのかな」と思いをめぐらせ「基本的には百姓として生きていくことが幸せで、平和に暮らしたかっただけなのに。そういうところからこみ上げてくる、自分らしく生きたいというエネルギーみたいなものが表現できたらいいですね」と力を込めた。
自身にも兄弟がいる。5歳上の兄に、同じ俳優としても活躍していた武尊さんを持つ。仲野は「毎日のように撮影をしている中で、秀吉、秀長は同じ兄弟として一緒に駆け上がっていった。そういう兄弟関係はうらやましいなと思いました」と語り「なかなか実生活だと僕はしょっちゅう兄に会ったりするわけではないので。兄弟ならではの絆や、お互いわかり合いながら何かを進めるということをあらためて実人生でも感じてみたいなと演じながら思いますね。助け合ったり、支え合ったりする感じ。こういう兄弟いいなと思いますね」。無意識のうちに兄に接する頻度は「増えたかもしれない」といい「『元気?』みたいな。そういう連絡をとったりしています」と明かした。
★父中野英雄に親孝行
父には俳優中野英雄(61)を持つ。「父は定期的に『調子どう?』みたいな連絡をくれたり、気にかけてくれています。『楽しくやっているよ』とか『撮影が立て込んでいてヒーヒーいってるわ』みたいなやりとりとか、そういう感じでコミュニケーションはとっていますね」。父はもちろん、家族も放送を楽しみにしてくれているといい「1月4日の初回放送で親孝行ではないけど、そういう風に喜んでくれたら良いなと思っていますね」と笑顔をみせた。
★後輩横浜流星からバトン
2025年は同じ事務所所属の横浜流星(29)が主演を務めた「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」が放送されていた。「すごいですよね」と後輩からのバトンパスを喜び「きっと大変だっただろうし、僕が1年後に見る景色を流星君はすでに知っている。どういう風に駆け抜けていったのか聞いてみたいですね。共感しあえるところもあるだろうし、最近見ていると流星君はどんどん顔つきが男らしくなっていくというか、勇ましくなっている気がしていて。事務所の後輩ではありますけど、大きなプロジェクトを乗り越えていて、とてもリスペクトしています」。
意外にもこれまで共演経験はほとんどないという。「僕が小さい頃に事務所の演劇みたいなものに出たことがあって。その時にまだ子役だった流星君も出ていたみたいで。前、NHKでちらっと会った時に『初めまして』みたいな話をしたら『違います、違います。自分あの時、いたんです』みたいな話をしてくれて。あの時はまだ小学生でしたけど、今は日本を代表する俳優ですから。すごいなと思いながら日々見ていますね」と話した。
大河ドラマ出演6作目にして初の主演となる。「その都度、真ん中に立つ方の背中を見ながら、かっこいいなと思っていました。いつか自分もやってみたいという憧れでした」とかみしめる。
「この業界で主役という夢はどれだけ遠いものなのか、それを痛感するというか、気づいた時は大きな夢を頭の片隅に追いやっていた時期もありました。そんな中でオファーをいただいて驚きましたし、こんなことってあるんだと。これまでいろんな作品に出させていただきましたけど、何かが導いてくれたというより全部がつながっているなと感じています」と喜んだ。
★戦国ならではの死生観
座長として、現場では「明るく楽しく和やかな雰囲気がいいなと。リラックスできるような空気作りができたらいいなと思います」と意気込む。長期間の撮影は「本当に短距離走ではなくマラソン」と表現し「半年間撮影していて、最初は肩をぶん回しながらやっていましたけど途中で肩を壊したので休憩しながらといった感じで(笑い)」と笑わせつつ「リラックスしながら、力むことが全てじゃないなというのが気づきとしてあります」と話した。
自身も第1話の試写を確認した。「途中で(自分の演技に)恥ずかしくなって小さくなりながら見ていました(笑い)。生きる、死ぬ、そういった演技の振り幅は戦国時代ならではですし、青春活劇のような誰もが楽しめるエンタメになっていると思いますので楽しみにしていただければ」と呼びかけた。
■「豊臣兄弟!」 NHK大河ドラマ65作目。主演の仲野をはじめ、豊臣秀吉役に池松壮亮、織田信長役に小栗旬、他にも吉岡里帆、浜辺美波、白石聖、坂井真紀、宮澤エマ、大東駿介、松下洸平、山口馬木也、宮﨑あおいら豪華キャストが出演。語りは安藤サクラ。
▼「豊臣兄弟!」製作統括のNHK松川博敬チーフプロデューサー
大河ドラマはハードな撮影が長期間にわたり続きますが、現場の雰囲気はとても和やかで、座長・仲野さんのお人柄のおかげだといつも感謝しています。彼の最大の魅力は周りのスタッフやキャストに愛されているところ。みんなが彼のために頑張ろう、いい作品にしようと一丸となって撮影に取り組んでくれています。長い物語を預けるにふさわしい俳優だと日々感じています。
◆仲野太賀(なかの・たいが)
1993年(平5)2月7日生まれ、東京都出身。06年フジ系ドラマ「新宿の母物語」でデビュー。ドラマは「コントが始まる」「ゆとりですがなにか」「今日から俺は!!」など。映画は08年「那須少年記」で初主演。ほか「50回目のファーストキス」「すばらしき世界」「泣く子はいねぇが」など。21年「第64回ブルーリボン賞」助演男優賞。NHK大河は07年「風林火山」をはじめ、以降「天地人」「江~姫たちの戦国~」「八重の桜」「いだてん~東京オリムピック噺~」に出演。168センチ。血液型A。







