「霧深きエルベのほとり」新人公演は、極美慎(きわみ・しん)が2度目の主演を務め、初ヒロインに3年目の水乃ゆりが抜てき。22日に宝塚大劇場での公演を終えた。学び、反省を生かして東京宝塚劇場(2月28日)公演へ臨む。

「決まったときはすごく驚きました。これまでは同期が活躍する姿を見る側だった。初めは不安でいっぱいでしたが、いろいろなことを稽古場で学ばせてもらっています」

3年目の102期生。花組の舞空瞳は昨年、新人公演ヒロインを務め、月組の蘭世恵翔(らんぜ・けいと)ら男役の同期も、じょじょにセリフを得るなど力をつけている。自身にもめぐってきた大役。トップ娘役綺咲が本公演で演じるヒロインは名家の令嬢。稽古場から、綺咲の姿を見て学んできた。主演の極美とも、役柄イメージを共有する。

「(ヒロインの)カラーは純粋で清純で、白を基調にした淡い水色や黄色だったり、ピンクだったり。『何色にも染まっていない素朴な感じを2人で表現できたらいいな』って、おっしゃっていただきました」

宝塚は小学生のとき、父の勧めで「ベルサイユのばら」を観劇し、知った。「華やかな輪っかのドレスや軍服。夢のような時間。いつかあの舞台に立ってみたい」。中学生になり、バレエ、声楽を習い始めた。

「バレエの先生が言った言葉や、動きが分からなかった。家に帰ったら、バレエ用語集を読んだ。ついていくのに必死でした」

控えめな性格。目標の娘役像は「男役さんに花を添えられるような、品のある、たおやかな娘役に」と話した。【松浦隆司】

☆水乃ゆり(みずの・ゆり)10月7日、東京都葛飾区生まれ。16年入団。同年3月「THE ENTERTAINER!」で初舞台。164センチ。愛称「みずのちゃん」。