宝塚歌劇の月組「エリザベート」新人公演は11日、兵庫・宝塚大劇場で行われ、すでに主力に成長した新人最終7年目の暁千星(あかつき・ちせい)が新人4度目の主演を、相手役ヒロインは次期トップ娘役の美園さくらが務めた。スター性、力量ともに新人離れしたコンビで、名作に臨んだ。

ウィーン発ミュージカルをもとに、難音階の楽曲で知られるだけに、暁は「歌をきっちり歌おうと、稽古を重ねてきました」。ダンスが得意な98期生の首席入団。3年目から新人主演に抜てきされ、すでに本公演でも主要キャストに入る主力だが、新人の最終学年で、なおかつ、大役に「今日はもう、終始、緊張していました」と明かした。

公演では本編が終わると、新人最上級生の中で、最も成績上位の「長(ちょう)」があいさつをして、主演にバトンを渡すのが恒例だが、今回は、その「長」も暁。1人で公演締めのあいさつも担った。

「あいさつをちゃんとしなきゃ…って、ずっと思っていて、余計に緊張して、あいさつも、かんでしまい…。とにかく今は、公演が終わってホッとしています」と猛省。それでも、公演では「歌い上げるところは気持ちよかった」と振り返り、笑顔で話した。

相手役ヒロインの美園も「私も緊張しっぱなしでした」と照れ笑い。月組では、11月に約6年半にわたり在位したトップ娘役愛希れいかの退団が決まっており、次期には美園が就く。

次作からは本公演でも娘役のセンターに立つが「以前と変わらず(新人公演に)臨んでこられました」と平常心を強調。一方で「本公演で愛希さんが作られているすばらしいエリザベートを(新人公演で)やらせていただく、その責任感で胸はいっぱいでした」と、重圧との戦いを振り返っていた。

東京宝塚劇場の新人公演は11月8日に行われる。