宝塚歌劇団専科スターの凪七瑠海(なぎな・るうみ)が主演する花組ミュージカル「ロマンス 蘭陵王(らんりょうおう)-美しすぎる武将-」は20日、大阪市北区のシアター・ドラマシティで開幕した。

初日開演前のおはらいには、フィナーレ楽曲を担当した雅楽師の東儀秀樹(59)も参加。凪七によると、その際、東儀の生演奏があったといい「朝から感動と鳥肌でウルウルでした」と明かした。

今作は、6世紀の中国に実在した北斉の皇族・高長恭が主人公。あまりの美しさから仮面を着けて戦い「蘭陵王」の王号を与えられた逸話が残る伝説の武将で、雅楽「蘭陵王」や京劇の演目にもなっている。

この縁から、今作フィナーレ楽曲を東儀が担当していた。初日前には、恒例のおはらい式があり、凪七は「今朝のおはらい、どこからともなく雅な音楽が流れてくると思ったら。東儀秀樹さんが生で演奏をしてくれていた」。開演前の緊張が和らぎ、感謝した思いを伝えた。

凪七は03年入団。宙組、月組を経て、16年9月に専科へ移り、異動後の初主演作。孤独な生い立ちから習得した無類の強さ、比類なき美貌を持つ「蘭陵王」を、花組娘役の音くり寿を相手役ヒロインに迎えて好演。花組人気スター瀬戸かずやは、「蘭陵王」の美しさに夢中になる斉の皇太子を熱演した。

花組生を中心にした共演メンバーに「明るく楽しい花組メンバー、専科の皆さまの強力なサポートを得て、ひとつの作品を作り上げていく幸せを実感しました」とあいさつ。中国語で「またのお越しをお待ちしております」と、客席、ファンに向かっても感謝した。

シアター・ドラマシティ公演は、28日まで。KAAT神奈川芸術劇場でも、12月4~10日に上演される。