宝塚歌劇団の令和初の新トップコンビ、星組の礼真琴と、相手娘役の舞空瞳が20日、大阪・梅田芸術劇場で、初主演作「ロックオペラ モーツァルト」の初日を迎えた。

本拠地作を来年に控えるものの、コンビにとっては実質的なお披露目。今作は09年にパリで初演され、大ヒットしたフレンチ・ミュージカルで、音楽を愛し、自由と恋を求めた天才音楽家モーツァルトを、ロック楽曲にのせて描く。

主人公は少年の心を宿したまま、天才ゆえの苦悩、壁にぶち当たるキャラクター。礼は「ピュアで純粋。やりたいことを自由にやっていた印象。まっすぐな少年が大人になった」と役柄をとらえ、その感情を際だたせて好演。抜群の歌唱力を駆使し、アップテンポなリズムで物語を進めた。

11年目スピード就任の礼は、新人時代から歌、ダンス、芝居ともに高いレベルで3拍子がそろい、抜てきが続いていた。すでにトップ娘役3人を輩出した黄金世代95期の首席で、同期初のトップ就任。相手役には花組から移った4年目の102期トップ入団の舞空を迎えた。令和最初のコンビは“首席コンビ”として、期待値も高い。

礼の相手役に就いた舞空は、一般的には悪妻のイメージがある妻のコンスタンツェを「宝塚版は悪女ではなく、どちらかと言えばシンデレラ」と意識し、宝塚版としてのコンスタンツェ像を提示した。

梅田芸術劇場公演は27日まで。東京建物Brillia HALLで12月3~15日、こけら落としシリーズとして上演される。

東京公演について、礼は「宝塚ファンでない方も多い。羽根を背負わなくても、キラキラした宝塚のイメージをフィナーレナンバーでお見せしたい」と言い、舞空との圧巻デュエットダンスも披露している。