NHKは20日、大みそかの「第70回NHK紅白歌合戦」(午後7時15分スタート)に、ビートたけし(72)が歌手として初出場すると発表した。紅組、白組の枠を超えた特別企画の形で出場する。歌唱するのは「浅草キッド」。この日、同局は出場歌手の曲目も発表した。

日本を代表する芸人、コメディアンとして40年以上お笑い界の頂点に君臨し、映画監督としても世界的な評価を受けているたけしが、紅白のステージに歌手として初めて立つ。NHKは、たけしの選出理由を「80年代から音楽活動も行っている。特に、自身の下積み時代の思い出を歌った『浅草キッド』(作詞・作曲ビートたけし)は、たびたびカバーされ、昭和、平成、令和と時代を超え芸人、俳優、ミュージシャンなど、エンターテインメントの世界に生きる人たちに大きな影響を与えてきた」と説明した。また、今年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」に古今亭志ん生役で出演し、話題を集めたことも理由の1つと考えられる。

「浅草キッド」は86年8月に発売された、たけしの同名アルバムに収録。東京・浅草で、売れることを夢見て芸人修業をした時代を描いた曲だ。又吉直樹の原作が話題になった17年の映画「火花」(板尾創路監督)主題歌として使われ、主演菅田将暉と桐谷健太が歌った。竹原ピストルのアルバム「BOY」(10年)や島津亜矢のアルバム「SINGER4」(17年)にも収録されている。

たけしは、これまで紅白歌合戦に00年と01年にゲスト出演したことがあるが、芸名の名付け親として、ともに氷川きよしの応援のためにだった。00年は紅白初出場の氷川を志村けんと一緒に「バカ殿」キャラにふんして曲の前に登場し、「こういうまた旅がいるんだよな」などとギャグをかましながら氷川の歌う「箱根八里の半次郎」を紹介した。01年も氷川の曲が紹介される際に登場。そうした経緯もあって今回は、たけしの応援に氷川が一役買う可能性が高い。