漫才日本一決定トーナメント「M-1グランプリ2020」の決勝はマヂカルラブリーが優勝した。今年のエントリー総数5081組からを勝ち抜き、16代目“漫才日本一”の称号を手にし、トロフィーと賞金1000万円を獲得した。
審査員はオール巨人、上沼恵美子、サンドウィッチマン富澤たけし、立川志らく、ナイツ塙宣之、中川家礼二、ダウンタウン松本人志の7人。
ニッカンスポーツ・コムでは熱戦の模様を振り返る。
<最終決戦の成績>
順位 | コンビ名 | 得点 | 巨人 | 富澤 | 塙 | 立川 | 礼二 | 松本 | 上沼 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | マヂカルラブリー | 3 | - | ○ | - | ○ | ○ | - | - |
2 | おいでやすこが | 2 | - | - | - | - | - | ○ | ○ |
2 | 見取り図 | 2 | ○ | - | ○ | - | - | - | - |
マヂカルラブリー(吉本興業)
最終決戦は2番目に登場。ボケ担当の野田クリスタルが電車の中を舞台にコント。つり革につかまらず耐えようとするも…壮大な動きに。富澤、立川志らく、中川家礼二3票を集めて16代目のチャンピオンとなった。
◇野田クリスタル「(M1決勝で)最下位を取っても優勝することはあるんで、諦めないでください!みなさん!えみちゃん、辞めないで~!」
◇村上「とってもうれしいです。ありがとうございます」
◆上沼恵美子の話「違う人に入れたけどよかったな。ごめんね、3年前は。本当におめでとう。僅差は初めて」
◆松本人志の話「3組とも悩んだ。漫才をやることの幸せと漫才を見ることを幸せに思いました」
◆オール巨人の話「まだまだ3組とも伸びしろある」
◆ナイツ・塙宣之の話「3年前にああいうことがあってもR1取ってここに立って…。本当に実力だと思う。素晴らしい」
◆立川志らくの話「あれだけしゃべらず笑いをとる。喜劇だと思う」
◆サンドウィッチマン・富澤たけしの話「転がるだけで優勝はすごい」
◆中川家・礼二の話「ああいうネタですけど、漫才やり続けて下さい」
おいでやすこが(吉本興業)
最終決戦は3番目に登場。こがけんが、替え歌をしたファーストラウンドと打って変わって終始熱唱。無視し続ける相方に、おいでやす小田が絶叫ツッコミ。松本人志、上沼恵美子から支持されるも優勝ならず。
見取り図(吉本興業)
最終決戦のトップバッターとして登場。ボケ担当のリリーが盛山の地元大阪をディスるネタ。オール巨人、ナイツ塙から2票入るもあと一歩及ばず。
<ファーストラウンドの成績>
順位 | コンビ名 | 得点 | 巨人 | 富澤 | 塙 | 立川 | 礼二 | 松本 | 上沼 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | おいでやすこが | 658 | 92 | 93 | 93 | 96 | 95 | 95 | 94 |
2 | マヂカルラブリー | 649 | 88 | 94 | 94 | 90 | 96 | 93 | 94 |
3 | 見取り図 | 648 | 91 | 92 | 93 | 93 | 93 | 91 | 95 |
4 | 錦鯉 | 643 | 87 | 92 | 95 | 95 | 92 | 89 | 93 |
5 | ニューヨーク | 642 | 88 | 93 | 93 | 91 | 91 | 92 | 94 |
5 | オズワルド | 642 | 88 | 91 | 95 | 93 | 95 | 88 | 92 |
7 | インディアンス | 625 | 89 | 89 | 85 | 89 | 90 | 90 | 93 |
8 | アキナ | 622 | 89 | 88 | 87 | 90 | 91 | 85 | 92 |
8 | ウエストランド | 622 | 88 | 91 | 85 | 86 | 90 | 90 | 92 |
10 | 東京ホテイソン | 617 | 86 | 91 | 85 | 89 | 88 | 86 | 92 |
※赤字のコンビはファイナル進出
おいでやすこが(吉本興業)
ファーストラウンドは5番目に登場。こがけんがヒット曲を歌おうとするも絶妙に違う歌詞の替え歌。おいでやす小田が大声で暴れながらハイテンションにつっこむ。上戸彩はネタ直後に「好き」とコメント。ファイナルに一番乗りで進出が決まる。
◆中川家・礼二の話「お互いが力ある。お互いの良さが出ていた」
◆松本人志の話「単純明快。笑ってしまう。体力的に大丈夫かと思うが、もう1回みたい」
◆上沼恵美子の話「名人芸。これはコンビを組んだらええのに」
◆立川志らくの話「新しい形の漫才。ちょっと衝撃を受けました」
過去のM1成績:19年3回戦敗退
・おいでやす小田(男性)1978年7月25日生まれ。京都出身
・こがけん(男性)1979年2月14日生まれ。福岡出身
マヂカルラブリー(吉本興業)
ファーストラウンドは6番目に登場。土下座して登場した野田クリスタルは開口一番に「どうしても笑わせたい人がいる」。高級フレンチに行ったことがないからマナーを不安視する野田クリスタル。入店からのコントを披露するも…。野田は漫才後に「早くあの人のコメントが聞きたい」おいでやすこがに続きファイナル進出が決まる。
◆上沼恵美子の話「(因縁の決勝は)3年前?何にも覚えてない。バカバカしさが突き抜けている。本当によかった。お金で済むことがあるなら…」
◆中川家・礼二の話「点数入れすぎましたかね?野田にしかできないバカバカしいボケ。意外性しかなかった」
過去のM1成績:17年決勝敗退
・野田クリスタル(男性)1986年11月28日生まれ。神奈川出身
・村上(男性)1984年10月15日生まれ。愛知出身
見取り図(吉本興業)
ファーストラウンドは4番目に登場。大御所コンビは1人ずつマネージャーが就くことに憧れてコント。ボケ担当のリリーが破天荒なマネージャー役をしに盛山がツッコむ。3位でファイナル進出が決まる。
◆オール巨人の話「普段からええ漫才をやっている。積み重ねが余裕を生んだ」
◆立川志らくの話「トイレで長髪の方に会ったときに光り輝いていた。去年よりこんなに進化するんだと。しゃべりと動きのバランスがよかった」
◆上沼恵美子の話「ネタが分かりやすかった。長髪の方にファンになるわ」
過去のM1成績:18、19年決勝敗退
・盛山晋太郎(男性)1986年1月9日生まれ。大阪出身
・リリー(男性)1984年6月2日生まれ。岡山出身
インディアンス(吉本興業)
敗者復活戦を勝ち上がり、ファーストラウンドは1番目に登場。ツッコミ担当のキムがヤンキーだったことを告白し、ボケ担当の田渕が思うヤンキー像を唐突にコントに持ち込み、合間に他芸人の1発逆ギャグを挟むネタ。
◆上沼恵美子の話「(トップバッターが敗者復活で)あれだけはできませんよ。感動した」
◆松本人志の話「『うるさいわ』のタイミングが絶妙だった」
◆中川家・礼二の話「去年と全然違う。今回は自然だった」
◆オール巨人の話「(トップバッターなので)89点は様子見」
過去のM1成績:19年決勝敗退
・田渕章裕(男性)1985年6月2日生まれ。兵庫出身
・きむ(男性)1987年12月24日生まれ。大阪出身
東京ホテイソン(グレープカンパニー)
ファーストラウンドは2番目に登場。ボケ担当のショーゴが成立しない謎掛けを披露し、たけるはツッコミ続ける。
◆オール巨人の話「もう少し頭を使わないようなネタがいい」
◆立川志らくの話「ぶっ飛びが少し足りなかった」
◆松本人志の話「2人の声のバランスが合っていなかった」
◆上沼恵美子の話「テンションと世界に入っていくにはネタが短い」
過去のM1成績:17、18、19年敗者復活戦敗退
・たける(男性)1995年3月24日生まれ。岡山出身
・ショーゴ(男性)1994年2月1日生まれ。東京出身
ニューヨーク(吉本興業)
ファーストラウンドは3番目に登場。ボケ担当の嶋佐が爆笑エピソードを披露するも倫理観に違和感を持った屋敷がつっこむ。上戸彩は「ネタが悪すぎて大丈夫かと思った」とネタ終了後にコメント。
◆サンドウィッチマン・富澤たけしの話「いかれたニューヨークらしさがあった」
◆松本人志の話「ちょっと腹が立つんですけど、おもしろかった」
◆上沼恵美子の話「もう出来上がっている。ボケ(嶋佐)の方がナイツの塙さんを彷彿させた。ほっといても売れますよ」
過去のM1成績:19年決勝敗退
・嶋佐和也(男性)1986年5月14日生まれ。山梨出身
・屋敷裕政(男性)1986年3月1日生まれ。三重出身
オズワルド(吉本興業)
ファーストラウンドは7番目に登場。改名したいボケ担当の畠中の、変わった名前の提案にツッコむ伊藤。
◆オール巨人の話「力はすごい。伊藤君はもう少し大きい声でやったら」
◆ナイツ・塙宣之の話「話芸が抜群にうまい。ボケの畠中の間とかよかった」
◆中川家・礼二の話「改名だけでここまでネタを引っ張れて惚れ惚れする」
◆松本人志の話「うるさいのが続いた。静の漫才を期待していた」
過去のM1成績:19年決勝敗退
・畠中悠(男性)1987年12月7日生まれ。北海道出身
・伊藤俊介(男性)1989年8月8日生まれ。千葉出身
アキナ(吉本興業)
ファーストラウンドは8番目に登場。好きな女の子の前でいきがるボケ担当の山名。そんな相方にツッコミ担当の秋山は「好きなの?」を連呼。
◆立川志らくの話「うますぎるから、お客さんもついてこれなかったかも。うまかったからまた爆笑とれる」
◆サンドウィッチマン・富澤たけしの話「おじさんには(ネタが)はまらなかった」
◆上沼恵美子の話「うまいし、貫禄がうまい。ただ順番もある。なにかが足りん。ちょっとかわいそうやったな」
過去のM1成績:16年決勝敗退
・山名文和(男性)1980年7月3日生まれ。滋賀出身
・秋山賢太(男性)1983年6月24日生まれ。兵庫出身
錦鯉(SMA)
ファーストラウンドは9番目に登場。パチンコ台になりたいボケ担当の長谷川。表情豊かな台だが、外れ連発に渡辺が「腹立つ」とツッコむ。上戸彩は長谷川に「パチンコ台に見えてきた」と笑う。
◆オール巨人の話「笑いの数は少なかった。まだまだ漫才適齢期」
◆ナイツ・塙宣之の話「笑っちゃいましたね。もっと歯があれば…。4分で出し切れた」
◆松本人志の話「(以前見た時に)もっと爆発力があったんですけど…。来年引っ張りだこになるだろう」
過去のM1成績:16、19年敗者復活戦敗退
・長谷川雅紀(男性)1971年7月30日生まれ。北海道出身
・渡辺隆(男性)1978年4月15日生まれ。東京出身
ウエストランド(タイタン)
ファーストラウンドはラストの10番目に登場。不倫したいボケ担当の河本。ツッコミ担当の井口にマッチングアプリを勧めるも悪口連発。
◆ナイツ・塙宣之の話「自虐以外でネタのピークがほしかった」
◆松本人志の話「刺さる言葉があってよかったが、もっと刺してもらいたかった。将来性は有望」
◆上沼恵美子の話「10組目っていうのはある…」
過去のM1成績:18年敗者復活戦敗退
・井口浩之(男性)1983年5月6日生まれ。岡山出身
・河本太(男性)1984年1月25日生まれ。岡山出身
M1決勝進出者のプロフィール
アキナ(吉本興業)=16年決勝敗退
・山名文和(男性)1980年7月3日生まれ。滋賀出身
・秋山賢太(男性)1983年6月24日生まれ。兵庫出身
マヂカルラブリー(吉本興業)=17年決勝敗退
・野田クリスタル(男性)1986年11月28日生まれ。神奈川出身
・村上(男性)1984年10月15日生まれ。愛知出身
見取り図(吉本興業)=18、19年決勝敗退
・盛山晋太郎(男性)1986年1月9日生まれ。大阪出身
・リリー(男性)1984年6月2日生まれ。岡山出身
錦鯉(SMA)=16、19年敗者復活戦敗退
・長谷川雅紀(男性)1971年7月30日生まれ。北海道出身
・渡辺隆(男性)1978年4月15日生まれ。東京出身
ニューヨーク(吉本興業)=19年決勝敗退
・嶋佐和也(男性)1986年5月14日生まれ。山梨出身
・屋敷裕政(男性)1986年3月1日生まれ。三重出身
おいでやすこが(吉本興業)=19年3回戦敗退
・おいでやす小田(男性)1978年7月25日生まれ。京都出身
・こがけん(男性)1979年2月14日生まれ。福岡出身
オズワルド(吉本興業)=19年決勝敗退
・畠中悠(男性)1987年12月7日生まれ。北海道出身
・伊藤俊介(男性)1989年8月8日生まれ。千葉出身
東京ホテイソン(グレープカンパニー)=17、18、19年敗者復活戦敗退
・たける(男性)1995年3月24日生まれ。岡山出身
・ショーゴ(男性)1994年2月1日生まれ。東京出身
ウエストランド(タイタン)=18年敗者復活戦敗退
・井口浩之(男性)1983年5月6日生まれ。岡山出身
・河本太(男性)1984年1月25日生まれ。岡山出身
インディアンス(吉本興業)=19年決勝敗退
・田渕章裕(男性)1985年6月2日生まれ。兵庫出身
・きむ(男性)1987年12月24日生まれ。大阪出身
歴代のM1王者
回 | 年 | コンビ名 | 所属 | エントリー数 |
---|---|---|---|---|
第1回 | 2001年 | 中川家 | 吉本興業 | 1603組 |
第2回 | 2002年 | ますだおかだ | 松竹芸能 | 1756組 |
第3回 | 2003年 | フットボールアワー | 吉本興業 | 1906組 |
第4回 | 2004年 | アンタッチャブル | 人力舎 | 2617組 |
第5回 | 2005年 | ブラックマヨネーズ | 吉本興業 | 3378組 |
第6回 | 2006年 | チュートリアル | 吉本興業 | 3922組 |
第7回 | 2007年 | サンドウィッチマン | グレープカンパニー | 4239組 |
第8回 | 2008年 | NON STYLE | 吉本興業 | 4489組 |
第9回 | 2009年 | パンクブーブー | 吉本興業 | 4629組 |
第10回 | 2010年 | 笑い飯 | 吉本興業 | 4835組 |
第11回 | 2015年 | トレンディエンジェル | 吉本興業 | 3472組 |
第12回 | 2016年 | 銀シャリ | 吉本興業 | 3503組 |
第13回 | 2017年 | とろサーモン | 吉本興業 | 4094組 |
第14回 | 2018年 | 霜降り明星 | 吉本興業 | 4640組 |
第15回 | 2019年 | ミルクボーイ | 吉本興業 | 5040組 |
第16回 | 2020年 | マヂカルラブリー | 吉本興業 | 5081組 |