大竹しのぶ(63)林遣都(30)らが出演する舞台「フェードル」(10日~26日)が10日、東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで、初日を迎えた。

当初は8日に開幕予定だったが、7日に東京都などに緊急事態宣言が発令されたことを受けて、開催計画などを見直してこの日に開幕。収容率は100%の予定だったが、50%まで減らし、午後8時までに上演が終了するようにスケジュールを見直すなど、感染防止対策を徹底させている。

主演の大竹は「この状況の中での幕開けは、正直に言って不安でもあります。それでも来てくださるお客様のために1回1回を、一生懸命演じるだけです。うねる様な、湧き上がるエネルギーを同じ空間で共有できたら、それが明日への活力になるのなら、劇場のあるべき意味が伝えられたという事になります」と思いを語った。「劇場は今、絶対に必要なのかと問われれば違うかもしれません。それでも私達は幕を開ける事を選びました。万全の対策でお待ちしていますとしか言えませんが、あとは舞台の上で必死に生きるのみです。頑張ります」と意気込んだ。

林は「無事に幕が上がるか分からない状況の中で、初日を迎えられたことを幸せに感じます」と心境を明かした。「大竹さんが高めてくださった士気のもと、細心の注意を払いながら稽古を重ねてまいりました。演劇の力を信じ、情熱に満ちあふれ、純粋にお芝居と向き合い続ける今回の座組の皆さんと過ごした稽古期間は、僕にとってかけがえのないものとなりました。観に来てくださる方1人1人に感謝し、大切に演じていきたいと思います」と誓った。