元AKB48で女優の大島涼花(22)が、25日から配信のABEMAプレミアムドラマ「私が獣になった夜」で、大胆な濡(ぬ)れ場シーンに挑戦する。このほど日刊スポーツの取材に応じ、新境地を見せた心境や、グループ卒業後の思いについて語った。【聞き手=大友陽平】

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同ドラマは、女性が本能のまま獣のように男性を求めた夜を描いた4部作のオムニバス作品。大島は第1話の「同窓会の夜、彼氏とレスな私」で、17年6月にグループを卒業後初となる主演を務める。

演じるのは、同居して3年がたつ彼氏とのセックスレスに悩むつむぎ役。久しぶりに再会した大学の同期(柾木玲弥)と、彼氏の存在を隠しながら一夜をともにしてしまう役柄で、柾木と肌を寄せ合う絡みシーンにも初挑戦した。

「オーディションを受ける時点でラブシーンがあるのは分かっていたので、抵抗はなかったんですけど、あんなに脱ぐとは思っていなかったので、二の腕とか大丈夫かな? って思って(笑い)。準備しすぎなかった分、変に緊張せずに、抵抗なくできました」。

絡みシーン以外でも、自分をさらけ出す演技は初めてだったという。

「寂しさとか、いろいろな葛藤やコンプレックスだったり、作品の中での心境の変化を意識しました。ある泣くシーンも、現場ではいろいろな感情が生まれて、改めて台本だけじゃなくて、その場でできるものがあると感じました。今回、体もそうですけど、ここまで自分の中のものをさらけ出す役は初めてでした。今までと全然違う自分を見せられたというのはありました」

演じるつむぎは、自分とは正反対という。

「つむぎちゃんは、思っていることを言えないタイプなんですけど、私は思ったことを言わないと気が済まないタイプ(笑い)。昔は言えないタイプだったんですけど、ある時に小嶋陽菜さんのインタビューを読んだ時に、仕事をする上でも『こうしたい!』というのは絶対言わなきゃダメなんだって気づいて。それからは、思ったことを言うようにしています」

ちなみに、同窓会などで初恋相手や、同級生にときめいたことなどはあるのだろうか。

「多分、どうにもならないです。私、本当に友達が少なくて…(笑い)。成人式の時も、友達の女の子とずっと一緒に2人で飲んでいて、酔っぱらって寝ちゃったんですけど、2次会のカラオケでたたき起こされて『フライングゲット』を歌わされたのだけ覚えてます(笑い)」

グループを卒業してちょうど4年がたった。舞台を中心に、確実に演技に磨きをかけている。

「お芝居って、こんなに深いものなんだと、改めて感じる日々です。大変なことを痛感しているんですけど、その分芝居に対する思いは強くなりました」

大人数の中で活路を見いだしていたアイドル時代から、個人で勝負する中で、価値観も変化しているという。

「人と比べない価値観を持っていたいなと思います。若い時とかって、どうしてもあの子の方がかわいいとか、細いとか、お芝居がうまいとか、人と比べてしまうと思うんですけど、そこで劣等感を感じるのはもったいないなって思えるようになりました。まだ完璧にそういう考えには至ってないので、例えば30歳とかそれぐらいの年代になる頃には、人と比べない自分でありたいなと思っています。もちろん、常に人と比べられる環境にいたことも、それはそれで当時は良かったと思います」

映画観賞が好きで、ひと月に15~20作品は見ているという。理想の女優像も徐々にできてきた。

「私が映画を見ていて、一番魅力的に思う役者さんって、『すごく人間っぽいな』って思わせてくれる方なんです。そういうお芝居ができるようになったらいいんですけど、今一番苦手な部分で、課題です。いつか、人間味あふれるお芝居ができる女優になりたいです」

存在感のある女優を目指して、これからも自分のペースで突き進んでいく。

◆大島涼花(おおしま・りょうか)1998年(平10)10月21日、神奈川県生まれ。11年、AKB48の13期生としてデビュー。17年6月に卒業。舞台「白と黒の同窓会~まさかのダブルブッキング編~」で主演など、舞台を中心に活躍。趣味は映画観賞。血液型O。