俳優で歌手の本郷直樹さん(本名・奥野芳博)が2日午後、都内の病院で、心筋梗塞のため亡くなった。71歳だった。3日、所属事務所が発表した。通夜は5日、葬儀・告別式は6日、近親者で行われる、喪主は長女の夕雨子(ゆうこ)さん。

関係者によると、本郷さんは00年に脳内出血で倒れて半年以上も入院。03年8月には尿毒症で再び倒れ、人工透析を続けながら歌手活動を続けていた。昨年10月には腎臓の病気の悪化で左足を切断。人工透析の治療中に心筋梗塞を発症し、夕雨子さんらに見守られながら亡くなった。

本郷さんは04年に自伝「プレスリーと呼ばれて」(モッツ出版)を発売。同書の中も、闘病生活や入院中には自殺も考えたこともつづっていた。人工透析を続けながら歌手活動を続けており、その時には「死を恐れても仕方ない。僕は団塊の世代で引退時期が近づきつつあるが、まだ頑張る」と語っていた。

本郷さんは71年、RCAビクターレコードから「燃える恋人」で歌手デビュー。同年の日本レコード大賞で新人賞を受賞。その後は俳優としても活躍し、73年にはフジテレビ系ドラマ「アイちゃんが行く」にレギュラー出演したほか、映画「新同棲時代」に主演。88年には「釧路のあかり」を発売し、演歌歌手としても活躍した。