米ニューメキシコ州サンタフェ郊外で新作映画「Rust」を撮影中に俳優アレック・ボールドウィン(63)が小道具の銃を誤射し、2人が死傷した事故で、使用されたのは実弾入りの44口径マグナムリボルバーだったと米ワシントン・ポスト紙が報じた。何発撃ったのかは明らかになっていない。芸能情報サイトTMZも銃には実弾が入っていたと伝えており、現場で銃をボールドウィンに手渡したのは助監督だったと報じた。しかし、助監督は実弾入りだとは知らずに手渡したと警察に証言しており、ボールドウィン自身も「なぜ実弾入りだったのか、今までそんなことは一度もない」と事故後動揺する様子が目撃されていたことから実弾が入っていたことは知らなかったとみられる。

安全上の規定から映画の撮影で実弾を使用することは禁じられており、通常は弾頭がない空砲を使用するため、なぜ実弾入りの銃が使われたのか、また誰が装塡(そうてん)したのかなど謎は深まっている。ボールドウィンは声明で、「悲劇的な事故」と述べていた。

一方で、ABCテレビは事件の前夜に銃に関する安全面への懸念から撮影スタッフの大半が辞職していたと報じた。あるスタッフは、同局の取材に過去にも銃の誤射が1日に2度、10分以内に起きていたと証言。銃を暴発させたのは誰かについては、名前を公にすることに不安を感じるとして明かすことはなかったが、そのことが原因でスタッフの間で不安が広がっていたとみられる。その後も安全対策が取られなかったことから大量辞職につながり、ひいては死傷事故につながってしまった可能性もありそうだ。(ロサンゼルス=千歳香奈子)