佐津川愛美(33)が国際女性デーの8日、東京・テアトル新宿で行われた主演映画「蜜月」(榊英雄監督、3月25日公開)ワールドプレミアに登壇早々、涙した。

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劇中で主人公・美月の17歳から32歳を演じたが「美月を…ごめんなさい」と涙で言葉が出なかった。一瞬、間を置いて、気持ちを整えると「今日は、初めて皆さんに見ていただける日なので、純粋に、見ていただけるのが、ありがたいなという気持ち」と口にすると、また涙で声を詰まらせた。

「蜜月」で演じた美月は、母の五十鈴(筒井真理子)が新たな伴侶・靖男(板尾創路)を得て義父の息子伊織(濱田龍臣)と4人家族となり、やっと温かな居場所が出来ると期待したが、女という性に嫌悪、嫉妬し激しく抑圧する母への反抗心から、義父に接近。ささやかな反抗心だったが、次第に深みにはまっていき、その延長線で起きた事件で家族が崩壊していく。15年後、32歳になって陶芸家の夫・哲郎(永瀬正敏)のもとにいるが、伊織が15年ぶりに現れ、母の死を告げたことで、封印していた過去の自身の黒歴史と対決する。そういう複雑な役どころを演じただけに、登壇し、胸がいっぱいになって涙したようだ。

この日は国際女性デーで、佐津川は著述家でプロデューサーの湯山玲子氏(62)と「女たちよもっと自由に」と題したトークを行った。佐津川は撮影について聞かれ「まず撮影する中で、17歳から32歳とを完全に分けないと(演じるのは)難しい。お願いして、過去パートから撮らせてもらい、撮休日1日で髪形を変えて大人パート…。そのおかげがあって、自分の中では演じられたのかなと思っています」と振り返った。

榊英雄監督とオリジナルの脚本を手掛けた脚本家の港岳彦も、ともに男性のため現場では戦ったという。佐津川は「(現場での戦いは)いっぱいありました。台本を男性が書き、男性の監督が演出する…分かってはいましたけど、理解できないものは言わせていただきましたし、現場で戦えるものは戦いました」と振り返った。

その中、母を演じた筒井真理子(61)は、劇中では戦う役どころながら撮影中は味方になってくれたという。佐津川は「母と娘が(物語の)主軸だと思った。現場で、いろいろあった時、味方になって発言してくれた。大丈夫だと思った。大好きですし、お母さんだと思っています。あんな、すごい女優さんなのに、純粋でかわいいところがある。すごいなと」と、筒井に感謝した。

どのような女性になりたいかと聞かれると「昔からなんですけど、女性監督がいると、うれしくなる。最近は増えてきたけれど、多くない。戦っているのを見ると格好良い。受け入れてくれる社会にならなければいけないと思うし、なって欲しい」と女性監督へのリスペクトを口にした。その上で「格好良くなりたいなって思いは最近、ありますね。最近まで考えていなかったんですけど、良い悪いではなく、自分はこう思う、あなたはこう思うんですね、と対等に言える人になりたい」と語った。