俳優草なぎ剛(48)主演のフジテレビ系カンテレ制作の連続ドラマ「罠の戦争」(月曜午後10時)の最終回第11話が今日27日夜、放送される。

同ドラマを手がけた関西テレビの河西秀幸プロデューサー(43)がこのほど、日刊スポーツの取材に応じた。4回に分けてお届けする。第3回は主演草なぎを支えたサポーティングキャストについて語った。【高橋洋平】

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ドラマ前半で強烈なインパクトを残したのが、田口浩正(55)演じる政策秘書の虻川勝次と、本田博太郎(72)演じる犬飼孝介大臣だった。

「キャスティングでいうと、早い段階でこの2人がいいって。虻川は田口さんがいい。犬飼大臣は(本田)博太郎さんがいい。すごいイメージがあって僕の中で。いろいろ監督と相談して最終的に決めました」

クセのあるパワハラ気質の虻川を、田口が熱演した。犬飼大臣から解雇された際には、SNS上で「虻川ロス」というワードが生まれたほどだった。

「田口さんは、役にはまりすぎちゃって。なんならもう、視聴者もちょっと、本当にムカつきすぎちゃうんじゃないかって。やや監督が抑えてるんですよね。本当に嫌な感じだったので」

役にハマりすぎたからこその配慮もあったという。

「普段の田口さんって、別にこんな悪い人じゃないんですよ。悪い人じゃないんですけど、イメージする虻川っていうキャラクターにすごい近いなと思って。田口さんしかいないと思ったら、もうハマりすぎちゃって。逆に嫌悪感を抱かれるんじゃないかと思って。監督もそのあたりは、編集とかいろんなところでちょっとマイルドにしてました」

本田が演じた犬飼大臣も、同じくキャラクターが濃かった。

「本田博太郎さんはさすがなんですよね。衣装合わせの『初めまして』『お願いします』っていうときに、犬飼大臣のセリフが入ったんですよ。急に衣装の相談をしないで「この芝居はどう?」ってその場で芝居の相談をし始めたんですよ。その芝居がめちゃくちゃ面白くて。ご本人が最初言ってたのは『一辺倒だと面白くないよね』と。怖いときもあれば、おちゃめなときもある、迫力があるときもある、ようはいろんな緩急をつけたほうが絶対、この役は面白いよねって。本田さんご自身から、今回の犬飼はこうしたいっていうプランが最初にあったんですよ」

独特な「わしづぅ」という呼びかけは、本田発案だった。

「緩急をつけたいから、いろんなパターンの『鷲津』を御本人の頭の中で計算してるんですよね。役のプランが完璧でした」

自分の演技だけでなく、ドラマ全体に視野を広げて考えることができる。

「そっちの方がドラマ全体が面白くなるよねって。自分の役だけじゃなくて。ドラマ全体のことを考えている。ベテランだからこそ、なせる技。本田博太郎さんの役者魂に、今回本当に勉強させてもらいました」

 

◆河西秀幸(かさい・ひでゆき)1980年(昭55)1月8日、東京都生まれ。02年に関西テレビに入社。プロデューサーとして初めて手がけたドラマは上地雄輔主演の「逃亡弁護士」(10年)。以降、「銭の戦争」(15年)「嘘の戦争」(17年)「パーフェクトワールド」(19年)「ドクターホワイト」(22年)なども担当。

◆「罠の戦争」 草なぎにとっては6年ぶりの連続ドラマ主演作で、ジャニーズ事務所退所後、初の民放連続ドラマ主演となる。「銭の戦争」「嘘の戦争」に続く戦争シリーズ第3弾は、弱者による強き権力者への報復劇。今作は愛する家族を傷つけられた鷲津亨(わしづ・とおる)が主人公。議員秘書から代議士となり、知略を尽くして鮮やかな“罠”を仕掛け、あしき政治家を失脚させる痛快なリベンジエンターテインメント。命を懸けて20年間尽くしてきた政治家に裏切られた男が、権力を振りかざす不条理な政治家たちに壮絶な報復を行う。

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