映画「PERFECT DAYS」(ヴィム・ヴェンダース監督、日本公開未定)に主演し、カンヌ映画祭で男優賞を受賞した役所広司(67)が13日、都内の日本記者クラブで、共演の田中泯(78)とともに会見を開いた。
役所は会見の冒頭で、4年務めた東京・千代田区役所土木部道路課の職員を辞して22歳で入塾し、俳優をスタートした「無名塾」主宰の仲代達矢(90)に受賞後、あいさつに行ったと明かした。役所は、仲代からお祝いの言葉があったかと聞かれると「(祝福を)いただきましたご自宅に、あいさつに行ったら、お祝いにシャンパンをいただきました」と笑みを浮かべた。
質疑応答で、仲代とのやりとりについて聞かれると「毎年、この時期になると(故郷の)九州から送ってくる、すいかを持っていく。玄関で拍手してくれました」と振り返った。その上で「『これ、持っていけ』とシャンパンを持ってきてくれました」と振り返った。そして「(カンヌには)仲代さんも参加していらっしゃるが『俺は、もらえなかった』と…本当に喜んでくださった」と笑みを浮かべた。
「Perfect Days」は、ヴェンダース監督が東京・渋谷を舞台に、役所を主演に撮影した最新作で自ら脚本も担当した。製作は、22年5月に東京で開かれた会見で発表された。ヴェンダース監督は、世界的に活躍する16人の建築家やクリエーターがそれぞれの個性を発揮して、区内17カ所の公共トイレを新たなデザインで改修する、渋谷で20年から行われているプロジェクト「THE TOKYO TOILET」のトイレを舞台に新作を製作。そのため、11年ぶりに来日し、シナリオハンティングなどを行った。撮影は全て東京で行った。役所は、東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山を、田中は、平山と奇妙なつながりを持つホームレスを演じた。
◆役所広司(やくしょ・こうじ)本名・橋本広司。1956年(昭31)1月1日、長崎県諫早市生まれ。大村工業高校卒業後、上京して千代田区役所土木部に4年間勤務。200倍の難関を突破し78年、無名塾に入る。初舞台は同年「オイディプス王」。80年、NHK「なっちゃんの写真館」でドラマ初出演。83年の同大河ドラマ「徳川家康」で織田信長を演じ注目される。96年の映画「Shall we ダンス?」では主要映画賞を総なめ。ほかに「うなぎ」「失楽園」「ユリイカ」「SAYURI」「バベル」「パコと魔法の絵本」など。179センチ、血液型AB。
◆「Perfect Days」東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山(役所広司)は、淡々と過ぎていく日々に満足している。毎日を同じように繰り返しているように見えるが、彼にとってはそうではなく、常に新鮮で小さな喜びに満ちた、まるで風に揺れる木のような人生である。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読みふけるのが喜びで、いつも持ち歩く小さなフィルムのカメラで木々を撮る。平山は木が好きで、自分を重ねているのかもしれない。ある時、平山は思いがけない再会をし、それが彼の過去に少しずつ光を当てていく。平山が休日に訪れる居酒屋のママを歌手の石川さゆり(65)が演じる。石川が女優として映画に出演するのは、1979年(昭54)の映画「トラック野郎・故郷特急便」以来、44年ぶりとなる。ママの元夫を三浦友和(71)が、平山の妹を麻生祐未(59)が演じる。



