日本テレビの映画プロデューサー谷生俊美さん(49)が31日、著書「パパだけど、ママになりました」(アスコム刊)を出版した。
谷生さんはトランスジェンダーでニュース番組のコメンテーターも務めた。今回は愛娘に向けて執筆。子どもの頃から自身の性別に違和感と嫌悪感を抱えたことや、女性として生きることへの決意などを、パートナーの「かーちゃん」と間に生まれた愛娘に向けて、「ママ」としてつづった初の書き下ろし。
谷生さんは小1のころから、いつか女の子なりたいという願望が生まれたという。高校時代には「自分は変なのか」との疑問に戸惑い、他人からの視線を気にするように。日本テレビ入社後は、報道局に配属され、社会部遊軍、外報部、社会部で警視庁を担当した後にカイロ支局長。11年には、アラブの春を取材中に起きた東日本大震災のニュースから、後悔しないように生きようと決意したという。12年に性同一性障害と正式に診断され、その後、編成局編成部に異動。「金曜ロードショー」「映画天国」プロデューサーとなったころ、上司にカミングアウトして、本格的なトランスを開始した。青年海外協力隊員だった「かーちゃん」と呼ぶ女性とは、07年のカイロ時代に知り合い、12年に東京で再会。「この人が人生のパートナーだったら、きっと人生は最高に楽しい」とあらためて思い、14年4月、法律上のパートナー夫婦となった。顕微授精で、19年5月に、第1子となる「もも」が誕生した。
谷生さんは「最愛のわが娘・もも、あなたは明らかに友だちとは違う形の家族をもっています。その原因をつくったママはやっぱり心配になります。ママという存在のせいで、嫌な思いをしたり、学校でいじめられたり、悩んだりさせてしまうこともあるのでは、と。だからこそ、私はきちんと話しておかなければいけないと考えました。ママは、どうして男性として生まれながら、『女性』として生きようと決断したのか。この本は、多感な思春期の入り口、将来12歳になったももへの手紙として書きました」とコメントした。
◆谷生俊美(たにお・としみ) 1973年(昭48)9月、京都生まれ。神戸で育ち、東京外大大学院博士前期課程修了後、日本テレビ入社。報道局に配属され、社会部遊軍、外報部、社会部警視庁担当などを経て、カイロ支局長として赴任。帰国後、再び外報部。編成局編成部に異動し「金曜ロードショー」「映画天国」プロデューサー。この頃、上司にカミングアウトして、本格的なトランスを開始する。18年10月より「news zero」に日本で初めてのトランスジェンダーのニュースコメンテーターとして出演。現在、グローバルビジネス局スタジオセンターで映画プロデューサー。細田守監督『竜とそばかすの姫』、百瀬義行監督『屋根裏のラジャー』などを手がける。



