放送作家の鈴木おさむ氏(51)が31日、最後の著書として27日に発売した小説「もう明日が待っている」(文藝春秋)発売記念イベントと囲み会見を開いた。
「もう明日が待っている」は、月刊「文藝春秋」に掲載された。フジテレビ系で96年4月15日から16年12月26日まで放送したバラエティー番組「SMAP×SMAP」の放送作家として20年以上彼らと共に歩んできた鈴木氏が物語を紡ぎ「小説SMAP」と呼ばれ、大きな話題を呼んだ3篇に新たな書き下ろしの章を大幅に加えた。
鈴木氏は「辞めなければ(書く)勇気が出なかったと思います。謝罪放送となったこともそうだし、一連のこと…忖度(そんたく)したり、いろいろなことを振り切って書けなかった。辞めるから、伝えたいことを小説に書く…確実に辞めると決めてから1冊の本として出そうと思った。放送作家、作り手、この世界でやってきた人間として32年間、やったこととサヨナラする代わりに残したい」と言及。解散騒動の渦中にあったSMAPのメンバー5人が生放送で謝罪した16年1月18日の放送も踏まえ、覚悟を決めて書いたことを強調した。
鈴木氏は、SMAPのメンバーたちが作品を読んだか? と聞かれ「登場人物の方とは、話していないです。読んでいるのか…怖いですね。遠くで見たら…隠れる」と笑いながら答えた。そして「僕も、それなりの覚悟がある。彼らの全てにおいてのプロフェッショナルを伝えたかった。これで暴露するとかはなく…ファンの声を聞いている限り安心しています。彼らを応援してくれた人が、どう感じるかが自分にとって一番、大事だった」とも語った。
作品では、メンバーの脱退、トップアイドルのまさかの結婚、東日本大震災発生10日後の生放送、誰にも言えなかった苦悩、戦い。国民的スターとしてたくさんの夢や希望をもたらしてきた彼らの全てが、たった1夜の「放送」で壊れていった。そして日本中が悲しんだ解散などに触れた。発売から2日の29日時点で、異例の2日連続での重版が決定し、累計発行部数は15万部となった。著者印税は全て能登半島地震の義援金として寄付される。



