市川團十郎(48)らが出演する「初春大歌舞伎」が3日、東京・新橋演舞場で初日を迎えた。

昼の部「熊谷陣屋」で團十郎は、10年ぶりに熊谷次郎直実をつとめた。戦乱の中での悲劇、親子の情などを描いた古典の名作。

同興行に向けた取材で、團十郎さんは、21年に亡くなった中村吉右衛門さんに教わったことを振り返った。熊谷次郎直実は吉右衛門さんにとって当たり役の1つだった。

團十郎は「9代目團十郎が形を作った演目ですが、私が初めてつとめさていただく時には父(=12代目團十郎さん)がいませんでしたので吉右衛門のおじさまのところに行きました。教わったことを思い出しながら、9代目や12代目の父がやっていたことを踏まえて、表現する難しさや楽しさを古典の中にちりばめていけたらと思います」と話していた。

子を失った熊谷次郎直実が「十六年は一昔。ああ夢だ、夢だ」と涙する場面では、観客は息をのむように團十郎の姿に 見入っていた。