仲野太賀(33)が28日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた、銀杏BOYZ峯田和伸(48)と若葉竜也(36)のダブル主演映画「ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。」公開記念舞台あいさつで開口一番、「服、着てて、すみません」と“公開謝罪”した。
仲野は劇中で、19年に亡くなったパンク・ロックバンド、ザ・スターリンのボーカル遠藤ミチロウさんをモデルにした「解剖室」のボーカル未知ヲを演じ、冒頭のライブシーンから全裸で観客にダイブし、放尿するシーンなどを演じた。
「ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。」は、1978年(昭53)に東京で起きた音楽のムーブメント「東京ロッカーズ」を描いた写真家・地引雄一氏の自伝的エッセーを映画化した、田口トモロヲ(68)の10年ぶりの監督作。峯田が東京ロッカーズのカメラマンでマネジャーだった地引氏を元にしたユーイチ、若葉が東京ロッカーズの中心的バンド「TOKAGE」のリーダー兼ボーカルのモモを演じた。
仲野は、映画を見終わった観客で埋め尽くされた客席を前に「(劇中で)パンツ、履いてないですしね」と言い、笑った。そして「いやぁ~…本当に、オファーをいただいた時から思っていたんですけど(演じた未知ヲは)スターリンの遠藤さんがモデル。プレッシャーたるや…数々の人に影響を与えたカリスマを、自分が演じられるのか? とプレッシャーがありました」と、遠藤さんへのリスペクトを吐露した。
ライブシーンの撮影を振り返り「パフォーマンスが過激でアバンギャルド。(自分は)演じるにあたり、なぜ彼は、そうしたんだろう? と論理的に考えるタイプ。なぜ豚の臓物を投げるんだろう、なぜ人に向かって放尿するんだろう…考えても分からない」と役作りに悩み抜いた末、臨んだことを明かした。そして「自分は、こうなんだとメッセージを届ける中で、あらゆる表現方法がある中、するしかなかった初期衝動を大事にした。熱量をたぎらせるのを大事にした。ライブシーンはしんどくて、パンクバンドのヤバさを痛感しましたね」と遠藤さんの思いを想像した。
若葉、バンド「ロボトメイア」のベース・サチを演じた吉岡里帆(33)「軋轢」のボーカル&ギターDEEP役の間宮祥太朗(32)ら俳優陣は、実在のミュージシャンをモデルにした役を演じるに当たり、過去のライブ映像やインタビュー映像などを見て歌い方、演奏の仕方、ライブでのアクション、立ち振る舞いなどを研究。別のバンドのメンバーを演じるため、それぞれのバンドが個別にスタジオを押さえて練習をし本番に臨んだ。吉岡は、プロのミュージシャンについて3カ月、練習したという。ただ、仲野は「各バンド、スタジオ行ったり練習されたりしていたと思いますけど、僕は必死に腕立て、腹筋やって絶対、負けないぞ!」と筋トレに終始したと明かした。
◆「ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。」 1978年、偶然ラジオから流れたセックス・ピストルズに突き動かされ、田舎から上京した青年カメラマンのユーイチ(峯田和伸)は、小さなロックミニコミ雑誌「ロッキンドール」に出会い、とあるライブハウスへと足を運ぶ。そこで出会ったボーカルのモモ率いるバンド「TOKAGE」のライブに衝撃を受け、無我夢中でシャッターを押した。そこは音楽もバンドも観客たちも何にも縛られない生のエネルギーにあふれた異空間だった。正式にカメラマンとしてライブの撮影を依頼されたユーイチはモモ(若葉竜也)たちと交流を重ねる。やがて彼らの音楽は瞬く間に若者たちを熱狂させ、そのムーブメントは“東京ロッカーズ”と呼ばれ、日本のロックを塗り替えていく。世界を変えたのは、才能だけじゃない。音に賭けた、名もなき若者たちの衝動だった。



