阪神・淡路大震災から来年1月17日で20年。そんな震災を直接知らない女子大生の日常を通し、「神戸のいま」を描く漫画「神戸在住」が、開局45年を迎えた地元放送局サンテレビでドラマ化されることが25日発表された。神戸在住の白羽弥仁監督(50)が指揮、来年1月17日に同局でオンエアされ、その後順次、関東・中部・関西各エリアの独立系局12局で放送予定。また映画化し来年公開される。

 原作は98年から06年まで月刊アフタヌーン(講談社)で連載された木村紺の同名漫画。物語は、神戸の美大に通う東京出身の辰木桂とその友人たちを中心に展開。「神様のカルテ2」で注目された女優で主演の藤本泉(22)が瑞々しい演技を披露。ほかに、ファッションショー「神戸コレクション」でも活躍するモデル浦浜アリサ(24)や、震災をテーマにした詩の朗読コンサートを行うなど神戸にゆかりの深い竹下景子(60)らが出演する。撮影はすでにクランクアップしているが、オール神戸・阪神間ロケで撮影を実施するなど、みどころが多い。

 白羽監督は93年に神戸を舞台に描く青春映画「She’s

 Rain」を指揮。今回はテレビドラマと劇場用映画を同時に製作し、脚本をはじめ撮影、照明、美術など映画関係のスタッフが要所を固めた。

 ◆藤本泉コメント

 震災の当時、私は3歳でした。出演が決まった時、「どうしよう、よく知らない…」という不安が頭をよぎりました。しかし、「神戸在住」は震災を知らない女の子達が神戸の街で生きていくという物語でした。辰木桂を等身大で演じることができましたし、若い世代の方にも共感していただけると思います。撮影では、リアルな神戸の空気や雰囲気を感じながらお芝居が出来たのがよかったです。撮影後に中華街で食べた小籠包はおいしかったし、六甲山からの見晴らしは最高でした!

 ◆竹下景子コメント

 私が演じたのは、神戸市内で被災した女性。東遊園地は今回のロケで初めて訪れることができました。この公園も震災の前とは表情を変え、今は慰霊とともに人が出会い明日をつなぐ場所になっています。桂さんのように、ふと隣り合った人を通して19年前の震災やそこに生きる人に思いを馳せて、明日への力にして頂けたなら嬉しいです。