凱旋門賞が行われた週末には凱旋門賞以外に7つのG1競走が行われました。

土曜に行われた長距離の名物レース、カドラン賞(芝4000メートル、8頭立て)はトム・マーカンド騎手を鞍上に3番人気で出走したカバーヨデマール(セン4、父フェニックスオブスペイン、英G・スコット厩舎)が、逃げたコルトレーンを残り100メートルでかわして優勝しました。勝ちタイムは、前年に同じ重馬場でキプリオスが計時した4分25秒36より、9秒以上も遅い4分34秒74でした。カバーヨデマールは今シーズン9戦6勝。前走、ドイツ遠征でつかんだG3独セントレジャー(ドルトムント、芝2800メートル)からの連勝でG1はこれが初挑戦でした。次走は来年2月にサウジアラビアで行われるG2レッドシーターフハンデキャップ(キングアブドゥルアジズ、芝3000メートル)になりそうです。

3歳以上牝馬によるロワイヤリュー賞(芝2800メートル、12頭立て)はルーク・モリス騎手騎乗で7番人気の伏兵コンセント(牝3、父ロペデヴェガ、M・プレスコット厩舎)が、2番手追走から残り300メートルで抜け出して優勝。重賞初制覇を飾りました。G1ヴェルメイユ賞でアヴァンチュールの3着し、1番人気に支持されたベッドタイムストーリーは追い込み届かず7着に終わっています。勝ったコンセントは昨年8月にデビュー勝ちを飾って2歳時は2戦1勝。今年は7月に復帰して、ニューベリー競馬場の芝2000メートル戦を快勝。フランスに遠征して臨んだG3ミネルヴ賞で2着、前走のG2パークヒルフィリーズSも2着に惜敗していました。通算成績は6戦3勝、2着3回。来年も現役続行の予定です。

日曜日に行われた2歳牝馬限定のマルセルブサック賞(芝1600メートル、8頭立て)はクリストフ・スミヨン騎手を鞍上に5番手でレースを進めた1番人気のダイヤモンドネックレス(父セントマークスバシリカ、A・オブライエン厩舎)が優勝。8月のデビューから無傷の3連勝を飾りました。ダイヤモンドネックレスは昨年の仏アルカナ・ドーヴィル8月セールで170万ユーロ(約2億9800万円)で購買された高馬。半姉にG1マッキノンSを制したマジックワンド(父ガリレオ)、G1愛オークス優勝のチキータ(父モンジュー)がいます。オブライエン調教師は来春のG1英1000ギニー(ニューマーケット、芝1600メートル)に照準を合わせています。

去勢馬をのぞく2歳馬によるジャンリュックラガルデール賞(芝1400メートル、9頭立て)はクリストフ・スミヨン騎手が乗った2番人気のプエルトリコ(牡、父ウートンバセット、A・オブライエン厩舎)が逃げ切り。初勝利を重賞で飾った前走のG2シャンペンS(ドンカスター、芝1410メートル)からの連勝で2歳牡馬戦線の最前線に躍り出ました。プエルトリコは7戦2勝、2着3回。近親にはジュライカップなどG1・3勝で種牡馬になったユーエスネイビーフラッグ(父ウォーフロント)など。次走は米国のG1ブリーダーズCジュベナイルターフ(デルマー、芝1600メートル)が予定されています。

直線1000メートルで行われたアベイユドロンシャン賞(17頭立て)は、オイシン・マーフィー騎手が騎乗したアスフォーラ(牝7、父フライングアーティー、豪H・ドワイヤー厩舎)が残り100メートルで先行馬をとらえて優勝。1番人気に応えました。アスフォーラはオーストラリアで18戦8勝(うち重賞4勝)ののち母国に籍を残したまま英国に渡り、その2戦目となったG1キングチャールズ3世S(アスコット、芝1000メートル)に優勝。その後も欧州短距離路線の最前線で活躍し、今年は4月にオーストラリアに戻って2戦(1勝)したあと再び英国に舞い戻り、8月のG1ナンソープS(ヨーク、芝1000メートル)で自身2度目のG1勝ちを飾っていました。通算成績は29戦12勝で、重賞は8勝目。アスフォーラはこれで遠征を切り上げてオーストラリアに帰国。来シーズンも現役を続けることになっています。

凱旋門賞に続いて行われた3歳以上牝馬限定のオペラ賞(芝2000メートル、12頭立て)は、シェーン・フォーリー騎手を鞍上に主導権を握ったバルナヴァラ(牝3、父カリックス、J・ハリントン夫人厩舎)が、後続の差し脚を退けて優勝。G1初挑戦を実らせました。バルナヴァラは今年7戦4勝で重賞は3勝目。近親に人気種牡馬のロペデヴェガがいます。父のカリックスはキングマンの直子で、クールモアを拠点にアイルランドとオーストラリアでシャトル供用されていましたが、今年5月に蹄葉炎のため死亡しています。

3歳以上のフォレ賞(芝1400メートル、16頭立て)はオーレリアン・ルメートル騎手が騎乗したマラノアチャーリー(牡3、父ウートンバセット、C・ヘッド厩舎)が、レース途中から内ぴったりを逃げて優勝。G1初制覇を飾りました。G1仏1000ギニー勝ち馬で1番人気に支持されたザリガナは追い込み届かず2着に終わりました。マラノアチャーリーは10戦6勝で重賞は4勝目。ヘッド厩舎、ルメートル騎手のコンビは昨年のラマチュエールに続く連勝となりました。(ターフライター奥野庸介)

※競走成績等は2025年10月10日現在