コンサドーレ札幌FWアンデルソン・ロペス(26)が猛アピールだ。17日、熊本市内で行われたJ3熊本との練習試合(45分×2)にフル出場し、先制点を含む2ゴールを挙げた。柏とのJ1リーグ開幕戦(22日、三協F柏)前最後の対外試合で、ベンチ入りを逃した前日16日ルヴァン杯鳥栖戦の先発組をのぞく控え組中心のなか、存在感を示した。

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気温5度、初雪が降る熊本で、熱い思いをぶつける選手がいた。札幌FWロペスがJ3熊本との練習試合90分間、ペトロビッチ監督らがベンチコートで着込む寒空の下、半袖姿で威勢良く駆けた。1本目は1トップでプレー。開始8分、左サイドからの左足シュートで先制点を挙げる。2-1で迎えた31分にはダイレクトボレーで追加点。「よかった。(状態は)100%と言っていい。自分をアピールしないといけないので」。2本目はシャドー(1・5列目)に下がり、攻めの姿勢を続けた。

札幌2年目のブラジル人は、今季の公式戦開幕のピッチには立てなかった。前日16日ルヴァン杯アウェー鳥栖戦。チームは3-0で白星発進するも、ベンチ入りすら逃した。「成功だと思う。いいかたちもいくつか前線であったし、結果としてもあれだけ点数が開いたので」と、チームの完封勝利への喜びはあるが、心境は複雑だ。

同杯は21歳以下1人以上の先発義務があり、鳥栖戦はMF檀崎が該当。さらに大卒ルーキーMF高嶺の初先発抜てきなどもあり、18人の枠に飛び込めなかった。その悔しさがある。「若い日本人選手の起用や、成長させるという意図はリスペクトできるが、自分もどんどんアピールしてその中に加わりたいと思う」と、負けん気をのぞかせた。

5日後にはリーグ戦が開幕する。その前の最後の練習試合は、存在感を見せつけるための場と捉えて臨んだ。18日のオフが明ければ、本番への仕上げモードだ。「準備はしていきたいと思うし、チャンスが来た時にはチームに貢献したい」。昨季は前半でリーグ得点王争いに絡んだが、左膝のケガで長期離脱し、復帰後の後半は、下がった序列を取り戻し切れなかった。「昨年を上回るゴール数(リーグ9、カップ戦6)を取りたいと思う」。開幕戦で名前がコールされる瞬間を信じて、取り組み続けるだけだ。【保坂果那】