北海道コンサドーレ札幌DF中村桐耶(20)の再挑戦が始まった。28日、沖縄キャンプの練習に参加。19年夏にJFLのホンダFCに期限付き移籍し、今季は約1年半ぶりに復帰となった。「リーグ戦に絡めていない。メンバーに入ってデビューする」とリーグ戦初出場を目標に掲げた。

武者修行から古巣へ帰って来た中村の表情は大人らしくなった。天皇杯で2年連続8強入りした強豪チームでは、札幌でも重視される攻撃の組み立てを意識してプレーした。チーム事情でFWも経験。元々FW選手だったが「どう守備されたら嫌かを理解するいい機会だった」とDFとしてのプレーの幅を広げることができた。

最も成長できたのは精神的なタフさだ。むかわ町出身で19歳まで北海道で育ってきた。初めて地元から離れた生活に「誰も自分のことを知らない。自分がどういう人間かアピールするところから始まった」。積極的に自分を表現するようになり、「メンタル的に強くなった」。プレーにもそれを反映していきたい。

下部組織出身最年少。18年に2種登録選手としてルヴァン杯でデビューを果たしたが、トップチームに昇格した19年は公式戦4試合の出場にとどまった。現在ゲーム形式の練習では3バック左に入る。同じ左利きのDF福森がライバルになる。それでも「福さんからスタメンを取るって目標を掲げている」と言い切る。「(プロ)3年目で勝負かけていかないといけない年」。レベルアップした姿をピッチで見せる。【保坂果那】