コンサドーレ札幌DF福森晃斗(28)の“ダブル股抜きゴール”が、リーグ戦5試合ぶり勝ち点3を呼び込んだ。福岡とアウェーで対戦し2-1で勝利した。1-1の同点に追いつかれた2分後の後半9分、福森の今季初得点で勝ち越し、逃げ切った。2月27日ホームでの開幕戦(対横浜FC、5○1)以来の今季2勝目、敵地では初白星を挙げた。

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久しぶりの勝利に札幌イレブンは喜びと安堵(あんど)の表情だった。後半、福岡に押された。相手シュートがポストに直撃する運も味方につけて、ピンチを切り抜けた。1点リードを守り切り、手にした勝ち点3。フル出場で決勝弾の福森は「90分通して自分たちは集中して終えることができて良かった」。札幌との気温差10度以上の25・3度の暑さでの戦いを終え、汗を拭った。

冷静だった。前半30分にFWアンデルソン・ロペスの今季6点目で先制したものの、後半7分に元札幌の福岡DF奈良にCKからの同点弾を決められていた。2分後の同9分。MF深井からの横パスを左サイドで受けた。相手DFが目に入った。「スライディングしてくるのがわかった」。落ち着いてかわすと、ペナルティーエリア手前で左足を思い切り振り抜いた。グラウンダーの弾道で1人、2人と股下を通過し、ゴール右へ流し込んだ。セットプレーからの得点が多いキッカーとして「ああいうミドルシュートは数少ない。ああいうパターンで決められることを証明できた」と、美しい今季1号にうなずいた。

今季へかける思いは強かった。今年初めての試みとして、オフに個人トレーナーを北海道へ招き、キャンプ前の体づくりに取り組んだ。筋トレ、有酸素運動で状態を整えた。「今年で29歳になる。(チーム内で)年齢も上になってきている。もっとチームに貢献するために」。不動の3バック左として、チームで唯一のリーグ戦全試合フル出場中だ。

チームのムードは上向きだ。3月20日の前節神戸戦(3●4)は3点リードからの逆転負けで、ショックな敗戦だった。DF陣として福森も「気持ちが下がってしまったが、一からやり直そうって今日の試合に臨んだ」。5月下旬まで続く過密日程の初戦で好スタートを切れた。「今日だけ喜んで、明日から切り替えて次の試合に臨みたい」。巻き返しの4月が始まった。【保坂果那】