タイトル奪取のために、若手のために、全力を注ぐ。北海道コンサドーレ札幌MF小野伸二(42)が27日、沖縄キャンプで午前と午後の2部練習に参加した。新加入のFW興梠慎三(35)と並んでランニングするなど汗を流した後、ミハイロ・ペトロビッチ監督(64)の話に約20分間耳を傾けた。元日本代表のベテランは「いいものを伸ばしてあげたい」と、若手選手とも積極的にコミュニケーションを取っている。自身の活躍はもちろん、チームの底上げにも貢献しクラブを初タイトルへ導く。

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プロ25年目、札幌では最年長となる小野はチームの底上げを図っている。「若い子でいいものを持っている選手たちをどんどん伸ばしていってあげたい。彼らに伝えていくことでなにか変わっていってくれたら。輝かせられるように自分ができることをやっていきたい」と使命感を持っている。

昨季はチームを離脱することなく1シーズン完走した。出場は4試合でトータル11分。「まだまだ若い選手には負けられない」と感じていた一方で、これまで培った技術と経験を、次世代を担う選手に伝えたいという思いも出てきた。「去年以上に試合に関わりたいという部分も気持ちとしては強くありますけれども、チームがタイトルをとるために全力でサポートして、試合に出れば勝利に貢献できるように」と口にする。

言葉だけでなくサッカーに対する真摯(しんし)な思いと姿勢は行動に表れている。今キャンプ中の練習前は、必ずと言っていいほど、誰よりも一番先にピッチに足を踏み入れボールを蹴る。「準備がただ早いだけなので」と言うが「僕自身も早くボールを触りたい」と少年のような純粋な心も持ち続けている。

チームは26日に今季初実戦を行ったが、出場機会はなかった。29日に次の実戦(相手非公表)が予定されており、自身今季初実戦も見込まれる。「ここまで順調にいい形で進んでいるんじゃないかな。コンディションアップもそうですし、試合感もそうですし、新しい選手も来たので、また1つチームとしていい雰囲気をつくるのも大事にしていきたい」。大ベテランは札幌にとって欠かせない存在だ。【山崎純一】

◆小野伸二の札幌キャンプ 加入2季目の15年には、川崎Fとの練習試合初戦で“チーム1号”ゴールも、その後左膝を痛め途中離脱。17年は股関節痛のため別メニュー調整も。琉球から復帰した昨季は大きなケガなく完走している。