ミラノ・コルティナ五輪で、日本オリンピック委員会(JOC)がアスリートへの誹謗(ひぼう)中傷対策としてミラノに設けたオフィスが始動した。
海外の五輪で現地拠点を構えるのは初めて。深刻さが増す交流サイト(SNS)の悪質な投稿を6人のスタッフで監視。時差8時間の日本にいる16人と合わせて24時間態勢を敷く。
オフィスは選手村の近くにあるビルの一室に設置。まずは人工知能(AI)を活用し、一定の侮蔑的な表現を含む投稿を抽出する。さらにスタッフが目視で確認し、悪質性が高いと判断すれば、サイト管理者側へ削除要請を行う仕組みだ。
1月中旬から既に約380件の削除を求め、数十件が消されたという。応じられるのは一部に限られる課題もあるが、ミラノに常駐するJOCの竹下泰史さんは「選手が最大のパフォーマンスを発揮できるよう努める」と決意を示す。
フィギュアスケート男子の三浦佳生(オリエンタルバイオ・明大)は1月の四大陸選手権後、SNSで被害を明かした。2月3日にミラノ入りした際には、採点や競技以外に関することも含め、ダイレクトメッセージが相次いだことを説明。「傷ついたり悲しんだりする人もいる。駄目なこと」と訴える。
国際オリンピック委員会(IOC)も24年パリ夏季五輪に続き、リアルタイムで監視。今大会はAIによって選手の画像が加工される有害投稿の対策に力を入れる。JOCはIOCと情報共有して連携を図る。日本選手団の伊東秀仁団長は「いち早く察知し、選手に安心感を持たせたい」と述べた。

