女子100メートル障害で2度目の五輪出場となった木村文子(33=エディオン)は13秒25(追い風1・0メートル)の予選1組7着で、準決勝進出はならなかった。

1着のコスタリカ選手は12秒71、2着のオランダ選手は12秒72。世界に取り残された。

「タイムはふがいないものだったけど、9年前の自分と比べると、少しは成長したのかな」。12年ロンドン五輪に初出場した時とは違い「動じずに、すがすがしい気持ちでスタートラインに立てた」。集大成と位置づけた舞台。やりきった表情だった。

日本の女子100メートル障害をけん引してきた。今大会は寺田明日香、青木益未も含め、3人がフルエントリーできた。「そこが一番うれしい。ロンドン五輪に1人で出て、世界の高さを感じて、自分の才能では打ち勝てないかな。ただ、止めてしまっては、誰も続かないかなと思っていた。とにかく出続けることは自分にはできると、世界を目指してきた。大記録は出せなかったが、自分も世界に行けると思ってくれる子が日本女子で増えたらうれしい」。そう声をつまらせた。

コーチからの「その瞬間を楽しみなさい」との言葉も、緊張をほぐす大きな要因になったという。「自分も今後、そういう選手が出てきた時に伝えたいと思いました」。今後については第一線を退く。「世界を目指すのはオリンピックで区切りを付けたい。競技人生は今後考えたい」と話した。【上田悠太】