金メダルを期待されている男子400メートルリレーの日本は予選を通過し、6大会連続となる決勝進出を決めた。予選1組で38秒16のタイムで3着に入った。

日本は第1走者から多田修平(25=住友電工)、山県亮太(29=セイコー)、桐生祥秀(25=日本生命)、小池祐貴(26=住友電工)のメンバーで挑んだ。多田、山県、小池の100メートル代表3人を加え、5月に右アキレス腱(けん)を痛め、回復具合が心配されていた桐生を第3走者に起用した。通過には組3着までと、4着以下の上位2カ国が条件だった。

1組では19年世界選手権銀の英国、個人で米国にも匹敵する力を持つ南アフリカ、19年世界リレー大会金のブラジル、強豪ジャマイカと争った。1着ジャマイカ、2着は英国だった。

好スタートを切った多田は「自分のレーンだけを見て集中して、山県さんをみて走りました」。個人種目の出場を逃していた桐生は「初めて走らせていただいた。この雰囲気の中で1本走れたのは収穫」と振り返った。アンカーを力走した小池は「桐生だけを見て、バトンもうまくいった」と満足げだった。

東京五輪では100メートル、200メートル代表がそろって予選を通過できていなかった。個人の低調ぶりに加え、世界のライバルが調子を上げている現実が浮き彫りになり、不安視されていた。ただ、まず第1関門を突破した。

08年北京五輪、16年リオデジャネイロ五輪と銀メダルを獲得。19年世界選手権でも37秒43のアジア新で、2大会連続となる銅メダルを取った。自国開催の五輪で、悲願の初金メダルを期待されている。決勝は6日夜22時50分から。「(決勝は)チーム一丸となってベストレースをしたい」と山県。全てを懸けて歓喜を呼び込む。