田中希実（21＝豊田自動織機TC）は女子1500メートル決勝で3分59秒95で8位だった。

これまで日本勢が未踏で、出場だけでも快挙だった種目。4日の準決勝は予選でマークした日本新を約3秒塗り替える3分59秒19の会心の走りで突破していた。決勝の舞台は強豪に跳ね返されたが、立派に走り抜き、入賞を果たした。

母千洋さん（51）は北海道マラソンで2度優勝の実績を持ち、父の健智コーチ（50）も実業団でトラック種目に打ち込んだ陸上一家で育った。性格は大の負けず嫌い。小学校の頃から「この子に負けたくない」という気持ちが成長を原動力だった。2年前の世界選手権で決勝進出を果たし、1500メートル以上に期待されていた5000メートルでは予選敗退。その悔しさをぶつけ、何も考えず、怖いもの知らずで世界に立ち向かった。