マスク越し、声援を送れない中でもスポーツの祭典に酔いしれた。

キューアンドエースタジアムみやぎ内で有観客で行われた女子サッカー中国対ブラジル戦。ブラジルのユニホームを着て応援する人、両国の国旗を振る人、好プレーには拍手で後押しし、コロナ禍でも非日常を楽しむ観客の姿があった。キックオフ前には10秒のカウントダウンが始まり、試合開始のホイッスルと同時に大きな拍手が起こった。

スタンドの各入場ゲートにはアルコール消毒コーナーが設けられ、座席は1席ずつ空けての観戦。試合前にはグッズ売り場に行列ができたが、混乱はなかった。仙台市の70代女性は「やっぱり選手を応援してあげないとね。無観客が多いのは残念だし、本当は札幌でなでしこジャパンの試合を見たかったけど、地元で行われるオリンピックの雰囲気を味わえて素晴らしい機会」と笑顔を見せた。

一般客がマナーを守る一方、ブラジルの報道関係者の中には、自国が先制した際に記者席で大声を発しながら飛び跳ねて喜ぶ女性もいた。別の関係者も興奮した様子でスマホで動画撮影を始め、警備担当から注意を受ける場面もあった。【山田愛斗】