東京オリンピック(五輪)でセーラームーンが舞った。7日、新体操団体予選で人気アニメ「美少女戦士セーラームーン」をテーマにした衣装や音楽でのウズベキスタン代表が話題沸騰。胸元に赤いリボンをあしらったセーラームーン風レオタード姿の5人の美女が登場し、オープニング主題歌「ムーンライト伝説」にのって、華麗な演技を全世界に披露した。

テレビで解説した元新体操日本代表の田中琴乃氏(29)も「私は世代ですので、ウキウキしちゃいます」と興奮気味に伝えた。直後から「セーラームーン」がツイッターのトレンドランキング1位を記録。SNS上では「セラムンはずっと世界中の女子の憧れ」「東京五輪で海外の戦士ゅ(せんしゅ)が、というのもまた胸アツだし伝説」「有観客だったらどれだけ盛り上がったのか。コロナめ(怒)」などの声も。決勝進出はならなかったが「金メダルあげたい」「月のご加護があるはずよ」などの賛辞もあった。セーラームーンの主人公、月野うさぎの声を担当した声優三石琴乃(53)もツイッターで数多くのハートマークを使って感動を表現した。

アニメの聖地、東京・秋葉原も喜びにあふれた。メイドカフェ店員の20代女性は「セーラームーンは世界に愛されている。オリンピックは見ていないけれど、ネットで見て、やるじゃん外国人と思った」。小中学生時に夢中になったと言う30代女性はガチャガチャに熱中。「変身、相手を倒す強さ。夢をかなえてくれたのがセーラームーン。新体操の華麗さ、力強さにはピッタリ」と男子にとっての仮面ライダーやウルトラマンのような存在だったことを強調した。

パーティーグッズ売り場で買い物中の50代男性も「日本に対するおもてなしを感じた」。ブラジルや韓国などにルーツがある日系40代女性は「日本のアニメやゲームには世界が魅力を感じるツボがある。閉会式では菅(義偉)首相にルイージの格好で登場してほしい。リオの安倍マリオに続いてね」と新提案まで飛び出した。

本来なら数多くの外国人が来日する機会だった東京五輪。イタリアは着物風衣装で、ネイルには「夢」の漢字や日の丸。ベラルーシは日光東照宮の「見ざる言わざる聞かざる」三猿ポーズも取り入れた。無観客でも、開催国日本の文化を競技を通じて共有、発信出来る理想型が詰まっていた。【鎌田直秀】