東京オリンピック(五輪)開会式後の記者会見が23日深夜、会場の東京・国立競技場内からオンラインで行われた。

式典制作責任者の日置貴之エグゼクティブ・プロデューサーらが出席。史上初の無観客となったセレモニーが成功裏に幕を閉じた一方、直前には演出メンバーの辞任や解任という前代未聞の事態となっていた。

それを受け、事前に「制作メンバーの身体調査はしなかったのか」「仲間内では周知の事実だったのではないか」などと質問されると、司会の高谷正哲スポークスパーソンが「これまでの記者会見において橋本会長や武藤事務総長が十分にお話をさせていただいている」として、答えさせなかった。武藤事務総長は、メンバーの過去の言動について「知らなかった」とした上で、1人1人の人選については現場に一任していたことを明かしていた。

また「責任を取って辞任する考えはあるか」と問われると「辞任をするという考えはございません。残りの3つの式典をしっかりチームの仲間たちと作っていって、良い東京2020オリンピック・パラリンピックを作り上げていくことにまい進していきたいと思っています」と責任を全うする考えを示した。

開会式を終えた感想については「今日は大きなトラブルもなく、無事式典を終えられたことに大変ホッとしている。多くのアスリートの方がすごく楽しそうにしていた姿を見られて良かった。大会に参加できる方々が全力を発揮でき、前に進むことができれば」とアスリートの活躍を願い、直前の騒動については「こういう大変な事態となったことを重く受け止め、お騒がせして大変申し訳ない」と謝った。

小山田圭吾氏が辞任した後、田中知之氏が担当したオープニング部分の約5分間の楽曲など、急の対応については「もう1度チームで一丸となり、非常に迅速に意思疎通できた。すごく短い時間で、素晴らしい曲に変えられて良かったと思う」と語った。

印象深かったシーンについては「すべてのセクション。どれが1番というのは難しい。4000人くらいのスタッフで作り上げた。式典全部が好きだな。と。家に帰って見て、もう1回かみしめたい」と言い、無観客となってしまったことには「もちろん、ライブでお客さまの前でやりたかった気持ちはある。特に子供たちが会場を埋めている姿を見たかった。ただ、こういう状況だったので仕方なかった」と振り返った。

会見には、聖火ランナーを務めたレスリング女子3連覇の吉田沙保里さん、看護師でボクシング女子ミドル級の津端ありささん、パントマイムアーティストがーまるちょばのHIRO-PONも出席した。【木下淳】