東京オリンピック(五輪)から正式競技となったスケートボードで男女パークが、4日から始まる。男女で3つのメダルを獲得したストリートに続いて日本勢の活躍が期待される。特に4日の女子では表彰台独占の可能性もある。大きな皿や深いお椀(わん)を組み合わせたような、くぼ地状のコースで競われるパークの魅力を、大会組織委員会で競技運営に関わってきたプロスケーターの小川元氏(47)が語った。

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ストリートで日本勢が3つのメダルを獲得し、スケートボードががぜん、注目を集めている。4日から始まるパークも日本勢はメダル圏内に位置する。

街中を模したコースで行われるストリートと比べ、パークはスピードやパワーが格段にアップ。大会組織委員会で競技の運営に関わってきた小川氏は「パークは1本45秒という時間内で、繰り出すトリックで選手たちがどんな物語を描くかに注目してほしい」と高い芸術性も求められる。

パークでは、複雑な形をしたくぼ地状のコースが使われる。高いエアや回転技など難易度の高いトリックを繰り出す様子は、迫力満点。スタンス(足の位置)や進行方向によって呼び名が変わるため、トリックの数が一体どれほどあるのか把握できないという。小川氏は「選手のレベルも上がっているので応用技が日に日に増えています」と話す。

採点には技の難易度やスピードなどが総合的に評価されるが、体操競技と同じくトリックをした後の着地も大きなポイントだ。小川氏は「難しいトリックを決めた後、きちんとボードに乗っているか否かでも点数が大きく変わります」と説明する。

スピードだけではなく高低差もあるため、選手たちが勢い余って転倒した際に頭を打って大けがするリスクも付きまとう。そのため、ヘルメットを着けるのが必須となる。危険な競技にも物おじせず、どれだけ高く、斬新なスタイルを披露できるかが見どころの1つだ。

小川氏は「スタイルはいわばさまざまなジャンルがあるラーメン屋さん。しょうゆ、とんこつ、みそ、といろんなジャンルはあるけど、何を食べたいか。ボードに乗りこなす選手たちにも違いがあるので、競技を見ながら好きなスケーターを発見してほしい」とアピールした。【平山連】

<スケボー用語集>

◆メーク トリックが成功すること。

◆エア 斜面を利用し空中に飛び出すトリック。

◆リップ 角の部分でグラインドやスライドを行うトリック。

◆レギュラー 左足が前になるスタンス。

◆グーフィー 右足が前になるスタンス。

◆バックサイドターン おなか側に回るターン。

◆フロントサイドターン 背中側に回るターン。

◆パワースライド 進行方向に対してボードをすばやく向けてウィール(タイヤ)でスライドすること。

◆ルーティーン いくつかのトリックを組み合わせて連続で行うこと。

◆バックサイド540 空中で時計回りに1回転半する大技。

◆キッカー コースに設置されたジャンプ台。

◆ボルケーノ コース中央に設置された障害物。山の半分を水平に切り落とした形が特徴。