男子の日本(世界ランキング11位)は、準々決勝で五輪2連覇を狙うブラジル(同1位)に0-3で敗れ、1976年モントリオール五輪以来の4強入りはかなわなかった。チーム最多の17得点を挙げた主将の石川祐希(25=ミラノ)らスパイカー陣が奮闘し、一時はリードする展開も作ったが、32連敗中の難敵の壁は高かった。中垣内祐一監督は今大会で任期を終える。

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経験豊富な前回王者は強かった。スタメンに名を連ねた6人のうち、5人が16年リオデジャネイロメンバー。2連覇を狙うブラジルを相手にストレート負けを喫した後、石川の目に涙があふれた。「全員がベストパフォーマンスを出していたけど、ここまでしか行けなかった。悔しいです」と肩を落とした。

第1セットからパワーと高さで勝るブラジルに主導権を握られたが、続く第2セットは石川の活躍で一時盛り返した。ジャンプして打つと見せかけ、西田にトス。「フェイクトス」と呼ばれる難技で相手を手玉に取り、得点につなげた。一時4点差リードし王者の目の色を変えさせたが、反撃もここまで。3セット連続奪われ終戦を迎えた。

石川は、前回大会決勝のブラジルーイタリア戦を現地で観戦した。会場の熱気、1点の重みなどを体感し、この舞台に立ちたいという思いを強くした。「世界トッププレーヤー」になることを目指し、中大時代から世界最高峰のイタリアで武者修行。今季加入したミラノではプロ初タイトルを獲得するなど目に見える結果も残した。

迎えた初めての五輪。予選最終戦でイランとのフルセットにもつれる熱戦を制しての準々決勝進出に「成長できていたからこそ、力を発揮できた」と手応えも感じていた。それでも、本気のブラジルにはまだまだ差があった。この差を埋めるために「もっともっと成長しなくちゃいけない」。敗戦を糧に3年後のパリでさらなる高みを目指す。【平山連】