元日本代表FWで日刊スポーツ評論家の永島昭浩氏(56)が、決勝点を挙げたヴィッセル神戸のFW古橋亨梧(26)の試合中のポジション変更など、ガンバ大阪との勝負を分けたポイントを解説した。

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得点した古橋、決定的なパスを出した山口。2人の共同作業で生まれた、すばらしいゴールだった。お膳立てとなったのが、三浦監督が後半途中、右サイドの古橋を本来のFWに位置変更していたことだ。やはり古橋はゴール前にいてこそ怖い存在。1発で仕留められる技術もある。

古橋の得点は左足で浮かしたシュートになったが、やや前に出ていたG大阪GK東口とすれば、急所を突かれた形。防ぎようのないループシュートが頭を越えていった。GKの位置取りを見ていた古橋が、落ち着いていた。

実は前半に印象に残る場面があった。古橋が中盤からのパスを要求していたが、意に反して来なかった。それに対して怒っていたようにも見えた。古橋にすれば、イニエスタがいれば間違いなくパスが届いていた状況だったのだろう。

だが、そのマイナス点を補うかのように、後半に山口が縦パスで古橋のゴールを演出した。イニエスタ不在を仲間がカバーしたことも、神戸にとっては大きかった。

逆にG大阪は後半、宇佐美が決定機を迎えながら得点できない場面があった。神戸GK前川の好守もあったが、決めきれていれば-といえるターニングポイントでもあった。(日刊スポーツ評論家)

神戸対G大阪 開幕戦に勝利し、バンザイする神戸の選手とサポーター(撮影・宮崎幸一)
神戸対G大阪 開幕戦に勝利し、バンザイする神戸の選手とサポーター(撮影・宮崎幸一)