【サンパウロ(ブラジル)15日(日本時間16日)=岡崎悠利】14日に開幕した南米選手権(ブラジル)に招待出場している日本代表は17日(日本時間18日)にチリとの初戦を迎える。スペインの名門Rマドリードへの移籍が決まったMF久保建英(18)は、先発する見通し。日本人初の快挙を成し遂げて海外からも注目される中、“Rマドリードの久保”として初の公式戦はA代表の舞台となった。本気の南米勢を相手に、世界が認めた力を見せる。

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「白い巨人」ことRマドリードが手に入れた気鋭の18歳が、チリとの大会初戦でスタメン入りする見通しとなった。関係者によれば、この日、サンパウロで行われた非公開練習では主力組で戦術練習をこなしたもよう。東京五輪世代が中心のチームでも最年少だが、攻撃を引っ張る存在としての期待が高まる。

Jリーグから、いきなりRマドリードへの移籍で衝撃を与えた。まずはリーグ3部相当のBチームでプレーするとはいえ、日本人で誰も経験したことのない挑戦。14日の練習後には自ら「大会に集中したい。大会のことだけでお願いします」と報道陣に申し出た。めまぐるしく状況が変わる中、チリ戦だけに目を向けるために気持ちをコントロールする。

南米の地は、日本代表にとって鬼門となっている。99年南米選手権で初挑戦して以降、コンフェデレーションズ杯、W杯ブラジル大会のA代表全公式戦で1度も勝利がない。若手主体で臨む今大会も苦戦は必至だ。「自分が必要だぞ、というのを周りに示したい」と謙虚に意気込む18歳に、日本の歴史を変える勝利を呼び込む期待が寄せられている。

チリは試合5日前の練習で、ルエダ監督が「不測の事態がなければこのメンバーで臨む」とスタメンを明かした。異例とも言える“公表”は、日本に対する余裕の表れともいえる。久保は「ボールをさらすと足ごと持っていかれる。いい意味で非常に危険な選手が多い。けがだけは気をつけて、最大限のプレーを」と、警戒感が交ざった意気込みを口にしていた。大会連覇中のチリ相手にいつものプレーを見せられるか、Rマドリード挑戦を前にした1つの試金石になる。