日本代表の森保一監督(53)が15日、オマーン・マスカットでワールドカップ(W杯)アジア最終予選・オマーン戦(日本時間16日深夜)に向けた前日会見に臨んだ。既に2敗し、現在はB組3位。指揮官もW杯へは土俵際と認識しており「出場権をつかみ取るためのトーナメントという気持ち」と位置づけた。続けて「1戦1戦、力を出し切ってチームとして戦っていけば必ずW杯の出場権をつかみ取れると思っています」と言い切った。オマーン戦も4-3-3を軸に臨むことを明言し、DF酒井宏樹(31=浦和レッズ)については「ゲームはできるところまで回復している」と話した。森保監督の一問一答は以下の通り。

-オマーン戦に向けて

森保監督 明日の試合、我々にとって、対戦するオマーンにとっても非常に重要な試合。両チームとも勝ち点3を目指して戦う事になると思います。オマーンとは最終予選の初戦で、我々は敗戦を喫していますし、そういった意味でも同じ相手に負けられない。次の戦いはアウェーで厳しい戦いになるとは思いますが、その中でも我々は勝ち点3をつかみ取れるように最善の準備をして全力を尽くしたいと思います。また、対戦相手のどの敗戦として、我々は次は勝つことでなく、我々を何を目標にして戦っているかを考えないと行けない。我々はW杯出場権をつかみ取るために、タフに粘り強く戦い抜いて勝ち点3をつかみ取って次につなぎたいと思っています。

-酒井選手について。起用するめどは。

森保監督 酒井の回復状況に関しては、昨日既に、ゲーム形式のトレーニングにも入っていますので、今日のトレーニングを見極めた上で、試合のメンバー入りするかどうかは考えたい。その選択肢には入っている。もう、ゲームは出来るというところまで回復しています。

-オマーン戦では初戦を受けての改善か、433の流れを大事にするのか、どちらを強調しているのか。

森保監督 明日のオマーン戦に向け、2つ、我々には準備することがあると思います。1つは既に対戦しているので、前回の対戦を踏まえて、我々が修正、改善しなければいけないところ。我々が、負けたということで、すべて悪かったというわけではないので。そこで我々ができたことは整理して、明日の試合につなげたいと思っています。ただし、オマーンもこの最終予選を通して、チームのベースはしっかりした上で、1試合1試合、改善を重ねてチームがマイナーチェンジしてきていますので、そこは、明日の試合に向けて、我々が相手を上回って戦えるように整理していきたいと思います。そして、我々自身から見た明日の戦い方ですけど、この2試合は433で戦ってきていますが、その流れをベースにもちろん戦っていきたいと思います。ただ、433、422、4231とかある中では、試合が動いていない時の立ち位置はその形はあるかもしれないが、そこは433、4231にもなり、352にもなり、という所は試合の流れの中で臨機応変に対応していけるように、可変しながら戦っていくことは、選手たちには十分に考えて欲しいなと思いますし、自分たちが与えられた時間のなかで準備をしていきたい。

-今まで433を2試合やってきたが守田選手が出場停止。候補者として柴崎選手、原口選手がいるがどういう基準で選ぶか。

森保監督 全体的にコンディションがいいので、候補の選手はチームとしては機能するかなと。コンディション的にはすべての選手がいいコンディションでトレーニングができているので、そのポジションにはまる選手、生きる選手であれば、候補の選手はだれが出てもチームとして機能すると思っています。どういうポイントで選手を起用していくかは、総合的にということが一番ですが、その選手の特長、あとは試合全体をものにするときに、先発で使った方がいいのか、途中から試合の流れを見て試合を決める、試合を締める、試合をコントロールしてくれることであったりを考えていきたい。そこも含めてやっていきたい。昨日の練習で試しているところもありますし、今日の練習の内容を見て明日の起用を考えていきたい。

-初戦で戦ったが、その後オマーンも4試合戦っている。オマーンの変化、興味深い違いを感じることがあったか。

森保監督 まずは確固たるベースを持っているチーム。攻守においてのコンセプトが非常にはっきりしているチームだと思います。これまでの試合を経て感じていることは、我々もそうですけど、1試合ごとに連係連動の質が上がっていると感じています。オマーン戦を見ていて、非常に思うところは、対戦相手を徹底的に分析して対策を講じていることが試合の内容にも表れているなと思います。明日の試合、我々もかなり分析されて難しい戦いになると思いますが、分析された上でも選択肢を多く持って戦っていけるようにしないなと思っています。

-日本はこれまでの大会で一番乗りでW杯出場を決めてきた国だが、今回はサウジが首位。オマーンとはどういう戦い方をしていくか

森保監督 結論を言えば、我々はどんな厳しい戦いの中でも2022年のカタールW杯に向けて、アジア予選を突破してW杯に出場することが出来ると思っている。これまで厳しい、苦しい戦いという部分では、アジア全体のレベルが非常に上がっていることが言えると思いますので。厳しい戦いということは、ありえることかなと思っている。これまでのW杯出場に向けても、過去を振り返ると、W杯に出場しているので、それまでの戦いは忘れられがちですけど、非常に苦しい戦いをものにして、厳しい予選を勝ち抜いて、W杯に出場している。そこを忘れずに、最後まであきらめず、我々が目の前の一戦に最善の準備をする、1戦1戦、力を出し切ってチームとして戦っていけば必ずW杯の出場権をつかみ取れると思っています。

-2連勝して白星先攻。やっと落ち着いて戦える。選手の様子をどう見ているか。引き締めないと行けないか、緩めるか、どういう働きかけをしていきたいか。

森保監督 今のチーム状況は、いい緊張感を持ちながら練習は集中して、オフの時間はリラックスしながらも次の試合に向けてコミュニケーションを取っていくという、選手達が非常にいい雰囲気づくりを、選手達自身でやってくれている。私自身がというより、選手の状態を見てまた、緊張感を持ってもらうのか、リラックスしてもらうか、状態様子を見て働きかけをしていきたいと思います。あとは、連勝して勝ち星が先攻していることにかんして、まったく厳しい状況には変わりはない。我々は1試合1試合、W杯出場権をつかみとるために、出場権を懸けた戦いが続いているので、明日の試合も我々が厳しい状況、土俵際にいることを引き続き忘れずに戦っていかないといけないと思っています。

-オマーンとは初戦で敗戦。これまでもアウェーは難しい試合をしている中で、どういった対処法を持って明日対戦をするか

森保監督 もちろん、明日の完全アウェーのオマーン戦は厳しく難しい試合になると思っている。それはプレー面、メンタル面で非常に難しい試合になるが、ホームだろうとアウェーだろうと、今、我々が置かれている状況で、W杯に出るためには、そこを乗り越えて、1試合1試合、出場権をつかみ取るためのトーナメントという気持ちで勝利をつかみ取って、次の試合につなげていく、W杯につなげていかないといけない。メンタルだけでは勝てないが、我々が厳しい戦いの中でも勝って、次につなげる強い気持ちが必要。選手たちにも2敗しているなかで、非常にプレッシャーがかかる中、思い切ってアグレッシブにチャレンジしてくれることを、プレッシャーがかかった中でも、選手たちは勇気を持ってプレーしてくれているので。明日の試合も勇気を持ってプレーしてもらえるように監督としてやっていきたい。