J1湘南ベルマーレの筆頭株主の三栄建築設計は6日、フィットネスクラブを運営するRIZAP(ライザップ)グループと、湘南の運営を目的とした合弁会社を設立すると発表した。

 三栄建築設計は湘南の株主総会での承認を条件に

 <1>三栄建築設計は2016年に湘南の株式を6800株取得し、33・356%出資する筆頭株主だが、ライザップとの合弁会社を通じて湘南に出資する。合弁会社設立は、サッカーチーム運営を中心に、湘南の持つさまざまなスポーツコンテンツの運営及びチーム強化のためのマネジメントが目的。

 <2>三栄建築設計は、保有する湘南の株式6800株を新会社に現物出資し、新会社の株式を50・05%保有(49・95%はライザップグループが保有)することで、引き続き実質的な筆頭株主を維持する。

 湘南はJ2だった12年に曹貴裁監督(49)が監督に就任して以降、J1に3度昇格しながら2度、J2への降格を余儀なくされた。その背景には、16年度の決算でJ1全18チーム中、下から2番目の営業収益16億2700万円という年間予算の少なさから、主力選手の引き抜きに遭っても引き留められない現状があった。J2に降格すれば集客は落ち、経営基盤は安定せず、フロント陣は例年、スポンサーの獲得に奔走してきた。

 湘南は68年に、藤和不動産サッカー部として創部し、栃木県社会人4部からスタートした。その後、藤和不動産サッカー部の親会社フジタ工業(現フジタ)サッカー部として日本サッカーリーグを戦い3回、天皇杯2回優勝を果たし、94年にはベルマーレ平塚としてJリーグに参入。同年に天皇杯、翌95年にアジア・カップウィナーズ杯(現アジア・チャンピオンズリーグ)を制した。

 98年にはFW呂比須ワグナー、MF中田英寿、GK小島伸幸が日本代表、DF洪明甫が韓国代表としてW杯フランス大会に出場したが、フジタは同年に経営危機に陥り銀行の管理下に置かれ、翌99年6月に経営からの撤退を表明。フジタが過去の損失金や赤字を背負った上でベルマーレ平塚を精算し、一部、出資金を残したことで市民クラブ・湘南ベルマーレとして再出発できたものの、経営は決して楽ではなく、反町康治監督(現松本山雅監督)が率いた09年に3位で昇格を決めるまで、J1に復帰できない時代が10年も続いた。藤和不動産サッカー部創部から数えて50年…湘南はフジタ撤退以来の親会社を持つことで、目標のJ1定着、その先のステージへの進化に前進しようとしている。

 午後から、ライザップグループも瀬戸健社長(39)が出席しての会見を行う。