首位サンフレッチェ広島がV・ファーレン長崎に2-0で完封勝ちした。ともに被爆地にホームタウンを置くクラブが「ピースマッチ」として平和を祈念して開催。広島は前半ロスタイムに長崎県出身のMF柴崎が直接FKを決めて先制すると、後半43分には途中出場で広島県出身のMF川辺がドリブルで追加点をお膳立てした。2試合ぶり白星で2位FC東京に勝ち点8差とし、再び独走態勢に入った。

 直接FKで得点した柴崎は「人生初めて」と驚き「狙い通りだった」と胸を張った。4月に長崎の地で史上初めて実現し、両クラブにとって特別な8月に、今度は広島で「ピースマッチ」を開催。1945年(昭20)8月6日には広島に、9日には長崎に原爆が投下されてから73年。入場時には広島の選手が「86」、長崎の選手が「89」の背番号を付けた祈念ユニホームをまとった。今季最多2万285人が詰めかけ、柴崎は「いい雰囲気を作ってもらった」と感謝した。

 次節はMFイニエスタ擁する神戸。城福監督は「1試合ずつ積み上げる我々とは違うタイプのチーム。自分たちらしく戦って勝ちたい」と意気込んだ。【小杉舞】