FC東京対清水エスパルス戦の前座として、東京のクラブ創設20周年記念OB戦が行われた。試合後、OBで強化部スカウト担当を務める羽生直剛氏(38)の、サプライズでの“引退セレモニー”が行われた。

試合が0-0で終わり、サポーターがブーイングとともに「延長戦!!」とコールする中、現役時代“ミスター東京”の愛称で知られる藤山竜仁氏(45=東京U-15深川コーチ)がスピーチを行い、羽生氏にもスピーチをするよう促した。すると、羽生氏の妻と3人の娘がピッチに登場し、花束を贈った。同氏は「これからも、FC東京をよろしくお願いします。このような場を与えてくださったクラブ、OB、サポーターの感謝します」と感謝した。

羽生氏は、08年にジェフユナイテッド千葉から東京に移籍。13年はヴァンフォーレ甲府にレンタル移籍したが16年まで9シーズンにわたって東京でプレーし、17年に千葉で引退したが、東京から千葉に復帰した際、そして引退した際も東京サポーターにあいさつできなかった。そのことを踏まえ、藤山氏ら一部のOBが、サプライズでの“引退セレモニー”の根回しを、羽生氏に内緒でしていたという。

藤山氏は試合後「羽生のところは、やはり我々はサポーターの前で、なかなか引退してあいさつが出来ないので、OBとして今後もそういう機会が出来ればいい」と語り、笑みを浮かべた。【村上幸将】