ジュビロ磐田が今日30日、湘南ベルマーレとのJ1残留天王山に臨む。台風の影響で延期になっていた第28節のホーム戦だ。MF中村俊輔(40)は負傷欠場が濃厚だが、13位湘南には絶対に負けられない状況。勝って残留に前進することだけを考え、司令塔抜きの勝負に出る。

磐田ゆめりあサッカー場は、緊迫感に包まれていた。セットプレーの確認など約1時間の最終調整を終えた選手たちが、戦闘モードに入った。FW川又堅碁(29)は「ピリッとした空気の中で、全員が『絶対に勝つ』という同じ意識を持ってやれている。勝利に近づく練習ができたと思う」と話し、気合の入った表情のまま引き揚げた。

順延から1カ月。未消化の湘南戦が、重い位置付けになった。磐田の勝ち点は34で、J2自動降格圏の17位柏と1差。勝てばJ1残留に大きく前進する一方で、負ければ勝ち点はそのままで、「1試合少ない」アドバンテージが消える。

その状況下、MF中村が太もも痛で練習を欠席した。湘南戦の欠場は濃厚だが、MF山田大記(29)は、語気を強めて言った。「誰がいる、いないは関係ない。ピッチに立つ選手はもちろん、立たない選手も1人1人が責任を分け合ってやらなければいけない」。

27日にルヴァン杯初優勝を飾った湘南は、決勝から中2日だが、名波浩監督(45)は「コンディション的には厳しいけど、それ以上にメンタルが勝っていると思う」と警戒した。それでも、「受けには回らない。先制点が何より鍵になると思っている。決定的な場面を増やして、攻撃陣の自信が増していくような展開になれば」と言った。

相手は王者でもJ1残留を争うライバル。真っ向勝負で、生き残るために必要で、貴重な勝ち点3をつかむ決意だ。【前田和哉】