J1川崎フロンターレからアルビレックス新潟への完全移籍が13日に発表されたDF舞行龍ジェームス(30)が、この日13日にチーム合流した。

J1時代の16年まで所属していた古巣に、約2年半ぶりの復帰。守備の整備が急務のチームにとって、頼もしいセンターバックが戻ってきた。

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DF舞行龍が、合流初日に足を踏み入れたピッチは「何も変わっていない」と、慣れ親しんだ練習場だった。「走るし、一生懸命」という新潟のプレースタイルも、かつて経験してきたもの。しかし、本人の心構えは変わっていた。練習で繰り広げたフリーマンつきの7対7のミニゲームだ。練習初日ながら、最終ラインで指示を飛ばし続けた。以前には、ない声だった。「具体的な指示は出せなかったけれど、センターバックとしてディフェンスを仕切っていきたい」と決意は固かった。

J1川崎Fで今季のリーグ戦出場は3試合。「コンディションはすごくいい」と、出場機会を求めて古巣のオファーにうなずいた。高卒ルーキーとしてプロの第1歩を踏み出したのが新潟。ずっと気にしていたチームが新潟だった。「順位は確認していた。試合は最低でもゲームハイライトを見ていた」。脂の乗った30歳。「中心選手として、やっていきたい」と話した。

第27節終了時点で10位の新潟は総得点44点はリーグ最多。しかし、総失点35点は少ない順で数えると11位タイで、守備の立て直しが最優先課題だった。そんなチーム事情に合致した完全移籍。「外で学んだことを還元したい。勝っていく雰囲気に持っていけたらと思う」。現J1で3位の川崎Fの高い意識をチームに持ち込むつもりだった。吉永一明監督(51)も「中心的存在になるくらいの経験がある」とDF舞行龍の経験値に期待した。

背番号5の試合ユニホームは15日に出来上がる。次節17日のホーム岡山戦には登録も間に合う。デンカビッグスワンには16年10月22日のJ1新潟-浦和戦以来、立っていない。「(スタジアムの雰囲気を)感じたい」。古巣の勝利貢献を狙うDF舞行龍は、試合出場を楽しみにしていた。【涌井幹雄】

◆舞行龍(まいける)ジェームス 1988年(昭63)9月17日生まれ、ポジションはセンターバック。ニュージーランド出身。成立学園高出。日本国籍は13年に取得。11年にはニュージーランド代表。08年にJ1時代の新潟入り。期限付きで北信越リーグのJAPANサッカーカレッジ、JFL時代の金沢、長崎を経験。今季はACL3試合出場など。185センチ、82キロ。