北海道コンサドーレ札幌は24日、ルヴァン杯決勝の川崎フロンターレ戦(埼玉スタジアム)へ向けて、札幌・宮の沢で練習後、メンバーが埼玉入りした。GKク・ソンユン(25)が同杯に今季初出場する見込み。チームメートの健闘により、たどり着いた大一番。札幌が誇る守護神が、あと1勝に迫るクラブ初の国内3大タイトル獲得へ、ゴールを守り抜く。

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決戦前、最後のホームグラウンドでの練習を終えたクが、移動の身支度を済ませてクラブハウスから姿を見せた。平日としては通常より多い約40人のサポーターから声援と拍手を浴び、新千歳空港へ向かうバスへ。「優勝して帰って来たい。それだけです」。乗り込む前、短い言葉に決意を込めた。

冷静に、いつも通りを心がけて臨む。緊張感や高揚感は持たず「普通です」。創設24年目のクラブが初めて手が届きそうな日本一。そのゴールマウスを託される。今季は1次リーグから準決勝までの全12試合、GK菅野孝憲(35)がフル出場。クはリーグ戦に専念してきた。ともに練習で汗を流す仲間からつながれるバトン。アンカーとして務めきる。

4日リーグG大阪戦(0●5)を最後に、公式戦から遠ざかるが、自信はある。「試合より練習の方が難しいので。そこの部分は心配してないです」。同戦後、韓国代表合流のためチームを離れた。W杯アジア2次予選2試合で出番はなかったが、負けられない戦いを、しっかり目に焼き付けてきた。

日本へ戻った翌日の18日リーグC大阪戦は、疲労を考慮されて控えとなった。リーグ戦69試合連続フル出場の記録はストップ。赤池保幸GKコーチ(45)は「本人も出たかったかもしれないけど、(コンディション調整不足による)ケガも心配だったから」と明かす。温存され、体力は回復。早く試合に出たい気持ちは、強い。

川崎Fは昨季リーグ戦でクラブワーストタイの7失点で0封負けした相手で、リーグ戦未勝利と苦手としている。だが、そんなイメージも前向きに「神様からチャンスをもらったので、明後日勝って優勝して帰って来たい」。味わった悔しさを、最高の形で晴らす時が来た。【保坂果那】