ベガルタ仙台MF椎橋慧也(22)が寒さに負けず中盤に熱く君臨する。チームは28日、仙台市内で気温1度、小雪が舞う中、30日ホーム大分トリニータ戦に向けて練習を行った。後半戦初戦のアウェー浦和レッズ戦(7月6日)を最後にリーグ戦での先発出場は1度もないが、前節23日のガンバ大阪戦でMF松下佳貴(25)が負傷し長期離脱。約5カ月ぶりにボランチのスタメンを奪取し、チームを救う活躍を見せる。

歯車が大きく狂ったのは7月の浦和戦だった。0-1の後半開始早々に2度目の警告で退場し、そのままチームは敗戦。それ以降のリーグ戦では、わずか3試合で計56分の出場にとどまっている。前節G大阪戦は松下の負傷を受け、前半37分から急きょ途中出場。アップをしていない状態でピッチに入った。「押し込まれて(ボールを)取った後のサポートが少なかった。2トップは(ボールを)収められる選手なので、ボールを引き出して縦に入れて、速くつけることを意識した」と振り返った。

今節の大分戦に向けては「びびらず、たとえボールを受けなくても、いいポジションを取るだけで相手は嫌がるだろうし、出し手の選択肢が増えると思う。1人1人がハードワークして、いいポジションを取り続けられるようにしたい」。大分は運動量が多く、GKを含めた最終ラインからの組み立てが得意なチーム。「ボールをつなぐ相手にバラバラでいくと、相手の思うツボ。つながせるところはつながせて、締めるところは締めたい」とメリハリを強調する。

残りは2試合、今節はホーム最終戦となる。現在11位の仙台は引き分け以上で自力残留が決まる。「シーズン最初に引っ張っていくと言ったので、なかなか出られない時期もあったが、1つのチャンスだと思って成長した姿を見せたい」。7位大分を撃破して2連勝すれば、2位に躍進した12年以来7年ぶりの1桁順位の可能性もある。勝ち点3へボランチ椎橋が攻守でタクトを振る。【山田愛斗】