神奈川県2部の社会人サッカーチーム「はやぶさイレブン」に加入した元女子日本代表FW永里優季(33)が25日、神奈川県内で同3部のYS横浜プエンテとの練習試合(30分×3本)の3本目に途中出場し、約20分間プレーした。

2トップを組んだ兄のFW永里源気(34)のお膳立てなどで何度も決定機をつかんだが、惜しくも初ゴールはならず。悔しさをにじませつつも、次戦以降の連係向上への手応えも口にした。チームは3本計6-0で勝利した。

記念すべき移籍後初ゴールまであと1歩だった。練習試合3本目の11分、右CKを得た場面でFW林純平(24)と交代でピッチに立つと、兄の源気と組む2トップへ。そのCKではニアサイドでの巧みな動きで相手を引きつけ、空いたスペースに走り込んで右足を合わせた源気の得点に早速、貢献した。

すると、直後に左サイドでの崩しからお返しのように源気からグラウンダーのラストパスが永里のもとへ。ゴール前での絶好の決定機だったが、左足で放ったシュートは惜しくもゴール上へ外れ、思わず「ああっ!」と大きな声を出して悔しがった。

その後も押し気味に進める展開の中で、何度もチャンスをつかんだ。27分にはゴール前でボールを受け、右足を振った。GKも見過ごすほどの狙い澄ましたミドルシュートだったが、これも惜しくも右クロスバー直撃した。

終了間際には右サイドからのクロスをフリーで待ちかまえ、ダイレクトで左足を振るもこれもGKに阻まれネットは揺らせず。

試合後は「みんなが私にとらせようと気を使ってくれていたので、それが逆にプレッシャーになったかなというのはあります」と冗談交じりに語りつつ、「シュートまでいけたのが私の中での進歩。ああいう感じで味方が出してくれるということが今日分かったので、次の試合も迷わず(ゴール前に)走っていける」と手応えも口にした。

18日のリーグ戦第3節山王FC戦の後半途中から出場して公式戦デビューを飾り、約8分間ピッチに立った。この日はチーム加入後、最長となる約20分間のプレー。阿部敏之監督(46)は「男子選手と変わらない感覚で評価しています。パスへの関わり方や、パスを出すタイミングのレベルは高い」とたたえ、「出る時間も限られてくるので、(途中出場で)息が上がったり、しんどくなってくると思いますが、そこで確実に決められるか」と次戦以降の1発を期待した。

この日の永里は中盤近くまで下がってボールをさばいたり、裏へ走ってボールを要求したりと、これまで以上に味方との連係で攻撃をつくろうとする場面が多く見受けられた。永里はチームメートとの相互理解が日に日に高まっていると言い、「お互いにどんなプレーが得意かとか、タイミングだったり、出し手と受け手のイメージの共有が良くなってきている」と語った。

次戦は11月1日にリーグ戦第4節フットワーククラブ戦を迎える。狙うは待望の初得点。徐々に感覚はつかみつつある。永里は「少ない時間でも良いパフォーマンスを出せる準備をして、いつ入っても得点に絡めるような状態をつくっていけたらいいかな」と意気込んだ。【松尾幸之介】