チームにとって開幕から7戦目、ようやく鹿島アントラーズFW上田綺世に今季初ゴールが生まれた。後半18分。スルーパスに抜け出すと、GKをかわし右足でゴールに流し込んだ。決まった瞬間、大きなガッツポーズをして雄たけび。試合後は一変、「まあ、パフォーマンスですね」とクールに振り返った。

2月の清水との開幕戦の前半終了間際に足を痛めた。フル出場したがそこから3試合欠場。別メニュー調整を続けてきた。東京五輪世代の日本代表では27試合15得点と出場数も得点数もトップ。けがからの回復途上で、3月のU-24の招集は見送られた。それでも焦ることなく、鹿島で結果を残すことだけにこだわる。

上田 けがも実力。僕のチームはあくまで鹿島。鹿島で勝利に導けない選手は、代表に行っても同じだし、呼ばれない。けがをしないことも含めて、鹿島で継続して活躍し続けることが、最終的につながると思います。

法大3年でサッカー部を退部しプロになった19年から、鹿島で上田が得点した試合は10勝1分け。不敗が続く。常に「チームを勝たせるのが仕事」と責任感を口にするFWが、東京五輪に向けても、しっかりアピールした。【岩田千代巳】