昨季の天皇杯王者・川崎フロンターレは、J3で現在12位と苦戦するAC長野パルセイロを、PK戦の末になんとか下した。今季J1で21戦負けなし、昨季から数えると26戦負けなしとJ1記録を更新中だが、2カテゴリー下の相手に、120分間で決着をつけられなかった。

長野は前半42分にMF藤山智史(27)が先制し、後半ロスタイムまでリードを守った。しかし川崎Fは、MF橘田健人(23)が同ロスタイム1分に値千金の同点弾を決めて、延長戦に持ち込んだ。

延長戦では得点が生まれず、勝負はPK戦へ。5人目までもつれ込んだが、川崎Fがなんとか勝負を制した。

両者の今季のリーグ戦成績は対照的だ。川崎Fはここまでリーグ戦17勝4分けでJ1首位を快走。対する長野はわずか1勝にとどまっている。天皇杯の醍醐味(だいごみ)「ジャイアント・キリング」とはならなかったが、長野はJ1王者を今季最も苦しめた。